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看取り教育で掴む安心感と心の準備(看取りケア )

生きとし生けるものは必ず死が訪れます。

自分が60歳といった節目になってくると、郷里で一人暮らしをしている高齢の親のことが心配になってくることがあります。

いつまでも長生きしてほしいと願う気持ちはあるのですが、いつなんどき看取るときがくるかもしれません。

親が健在であったとしても親の年齢を考えると、介護の問題やお墓の問題、実家の空き家問題まで考えておかなければなりません。

家族や大事な人が最期を迎えるようなことがあったときに、何をすればいいかということを考えておくことは、悔いを残さないためのものです。

もしもの時に慌てないためにも、高齢の親がいる人は看取りについて知っておくべきなのです。

ユーキャンでは、「看取りケア パートナー」という講座があります。

この講座は、人生の最終段階に直面する家族や知り合いが最期を穏やかに過ごすために、周りの人がいかに慌てないように死を迎い入れて看取るかということを講座として解説しています。

まだ亡くなっていない人に対して失礼だとか、薄情だと思う人がいたら、それはそれこそ相手に対して悲しい結果を呼ぶことになります。

人は必ず死を迎えるものだし、老いや死を受け入れて、その中で最善の努力をする生き方をすることこそ、死んでいく者も残された者も心置きなく穏やかに生きることになるのです。

看取り教育

郷里の実家に住む一人暮らしの母親が亡くなったという知らせがAさんに届きました。

Aさんの母親は86歳になるのですが、元気なうちは一人暮らしがいいと郷里の実家で暮らしていたのですが、庭で倒れているのを近所の人が見つけ、そのまま救急搬送されたのですが息を引き取ったということです。

Aさんには弟がいるのですが二人とも就職で都会に出てきていて、Aさんは毎年一回は家族で実家に帰ることはあっても、元気だからと母親の一人暮らしを認めていました。

ただ、自分もあと2年で定年退職になるので、そのときは実家に戻って親の面倒をみようかと考えていたのです。

葬儀が終わって、親族が集まり相続について話すことになりました。

財産らしい財産はなく、残されたのが自分たちが生まれ育った実家の家をどうするかということになったのです。

田舎町であるために、家の評価額は僅かであったために、みんなの同意の上で長男であるAさんが相続することになりました。

Aさんは、看取りケアの講座を受けていたことから、悲しい気持ちがあってもあっさりと母親の死を受け入れることができました。

老いや死を受け入れる

母親の死が悲しく辛くなかったかといえばそのようなことではないのですが、看取り教育を受けていたおかげで母親が生きているうちに、十分とは言わないまでもやるべきことをしていたからです。

母親が年老いたということを受け入れて、家族で実家に帰るのも最近では年に3回は帰るようにしていて、Aさん本人だけでもことあるごとに帰っていました。

このことは、Aさんが母親の老いと死を受け入れるようになったていたからです。

だから、Aさんには悔いというものは生まれませんでした。

諦めることを理解したからだと考えています。

諦めとは努力しないとかなるようになるということではなく、情理を受け入れるということだと考えています。

遺品整理と片付け

Aさんが実家を相続したものの東京での暮らしがあることから、今後、実家をどうするかを考えていました。

しかし、看取りケアを知っていたことによって、Aさんは65歳の定年になったら東京の自宅を引き払って、夫婦で実家に戻って暮らすということを前々から家族で話し合っていました。

ただ、母親の突然の死であったために、残された家財道具が多くあります。

これらを一度きれいに片付けなければならないのです。

遺品整理は、亡き人が遺した思い出にも通じるために、簡単に片付けられるものではありませんでした。

ただ、遺品整理をすることは身内にとっては心の整理であり、喪失感や悲しみと向き合う大切な時間でもあったので、処分するにしても大切に扱いながら感謝の気持ちで片付けることができました。

これもすべて、看取りという心の準備をしていたからだと考えています。

遺品整理の基本と始める前に知っておくべきこと

遺品整理は、亡くなった大切な人が遺した品物を整理し、その人の人生や遺された物への思いを尊重する重要な作業です。

ここでは、遺品整理を始める前に知っておくべき基本的なことを解説します。

まず最初に、遺品整理は感情的に難しい作業であることを理解することが大切です。

大切な人の遺した品々には、数多くの思い出が詰まっていて、自分自身の感情を理解し、残すべき物と整理する物を仕分けることをしなければなりません。

Aさんにとっては残されたものがすべて思い出の品になるので、判断に時間がかかるのも仕方ないことですが、その点、奥さんは自分が育ったところではないので、必要なものと必要でないものとを事務的に分類することができました。

整理作業を始めるにあたり、まず必要な道具を準備します。

段ボール箱、マーカー、手袋、ゴミ袋など、これらは作業をスムーズに進めるための基本的なアイテムです。

作業を進める際には、大まかな仕分けから始めることが効果的です。

故人の品を「保管するもの」「寄付するもの」「処分するもの」と、三つのカテゴリーに分けます。

この仕分けは、スムーズに作業を行うためと、残りの作業をより分かりやすくするために必要です。

部屋ごとに整理を進めることで作業を段階的に行なっていきます。

重要書類や貴重品などがないか注意を払いながらすすめるのですが、故人との思い出が詰まった写真や手紙などは、デジタル化することで物理的なスペースを取らずに保管することもできます。

遺品整理の過程で、物品の処分と寄付を行うことは、故人の物を尊重し社会に貢献する方法として重要です。

まず、不用品の処分について考える際、地域のゴミ収集の出し方を確認することをします。

多くの自治体では、粗大ゴミの回収やリサイクル可能な物の分別収集など、特定のルールに従って廃棄物を処理するよう求められています。

故人の家財道具や衣類、その他の日用品を処分する前に、これらの分別を理解し適切な方法で廃棄することが大事なことです。

一方、状態が良く再利用可能な品物に対しては、リサイクルショップや非営利団体などに寄付することを検討します。

メルカリなど、手間がかかるかもしれないのですが、状態の良いものは売ることもできます。

さらに、故人のコレクションや絵画など、価値が不明な物については、専門家の評価を受けることを検討するといいでしょう。

Aさんにおいては、頻繁に実家に戻っていたことから、価値のあるものや重要な書類などは、前々から分かっていたことからスムーズに行うことができたのは、看取りケアの講座で習っていたからです。

遺品整理を業者に頼む場合

遺品整理を業者に依頼する場合は、信頼できる業者を選んでください。

業者によっては依頼主に寄り添ってくれて、不用品の中から思い出の品などを見つけてくれるので、遺品整理専門の業者に頼む場合は、信頼のおける遺品整理士認定の業者を選ぶことをお薦めします。

時間がかかったかもしれないのですが、すべての作業が終わった時に、Aさんの心に達成感と同時にやって良かったという思いが生まれました。

一つの区切りとしてけじめをつけることができたからです。

数年後にAさん夫婦は、ここでセカンドキャリアを始めることをします。

実家に残された少しばかりの畑を利用して家庭菜園などをしながら田舎暮らしを始めようと考えています。

空き家問題について

Aさんは郷里にある実家を相続してそこに住むという選択肢ができたのですが、郷里に残された家が相続されても誰も住む人がいないまま放置されているというケースが多くあります。

空き家問題は、地方と都会との違いがあるでしょうが、日本全国で空き家が増えているのは、地方から若者が都心などに出て行ってしまい、その結果、実家に戻って来なくなって、家を相続しても実際には住む人がいなくなってしまうことが起こるからです。

さらに、過疎化が進む地域では、空き家となった物件に対する需要がほとんどなく、空き家バンクなどで田舎暮らしを望む人に空き家を購入してもらうように情報を提供して移住を呼びかけているのですが、便利な都会の生活から不便な田舎暮らしをしたいという人は少なく、地方はどんどん過疎化が進んでいくのです。

少子化などと相まって、空き家は増え続けており、地方に住む人はいなくなるという現象とともに、都会でも空き家が増えているということが伝えられています。

このように、地方の空き家問題は、単に少子化などといった側面だけでなく、人口動態や社会の変化、地域の活性化の度合いなど、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。

それと同じように、郷里に残されたお墓の問題も、引き継ぎ手がいないまま放置されるという現状があるということです。

人々が地方から都市部に移り住むことで、故郷に残された空き家問題と同じように、実家のお墓問題も同じように考えなければならない問題です。

郷里に誰も住む人がいなく遠く離れた実家のお墓参りになかなか行けない場合、お墓が荒れ放題になることを考えると、自分の代で墓じまいをするという判断をする必要があります。

墓じまいのプロセスと手続きは、複数の段階に分かれ、慎重かつ丁寧な取り組みをしなければなりません。

まず始めに、家族や親族間での合意形成が必要となります。

これは感情的な問題を含むデリケートな話題であるため、全員の同意と理解を得ることが重要です。

なぜなら、何代にもわたる家族の歴史や伝統に対するこだわりが、墓じまいによって終わるからです。

伝統的な価値観や考えの中で、この墓じまいという選択に迷っている家族もいるでしょう。

遠く離れた郷里に親せきがいる場合は墓守を頼むことができますが、自分しか跡取りがいない場合は、墓じまいという選択肢の中で他の親族とよく話し合うことが重要になってきます。

墓じまいが決まった場合は、墓地の管理者や該当する宗教施設の担当者に墓じまいの意向を伝えることから始まります。

何代にも渡って埋葬されてきたお墓なら、郷里の共同墓地に埋葬して、そのお寺で管理とともに永代供養をしてもらうという方法があります。

墓石の解体や撤去、遺骨の取り扱いについては、墓石業者と具体的な手続きを依頼して相談します。

お寺が推薦する石材店にすべてお願いすれば代行してくれます。

郷里のお寺に納骨堂などがなく、墓地を改装するに当たっては土地の役所に改葬許可申請書を提出しなければなりません。

改葬するお墓があるお寺には埋葬証明書を書いてもらいます。

郷里から自宅近くの場所に遺骨を移送する場合は、次の遺骨の受け入れ先である霊園などで受け入れ証明書をもらいます。

埋葬証明書と受け入れ証明書を用意して、自治体から改葬許可申請書が発行されます。

この許可申請書がないと、今ある遺骨を移動することができないのです。

日本全国から送骨により、遺骨を永代供養している墓苑があります。

お墓を建てることができない人や、事情があってご遺族の遺骨を引き取れない人や、後継ぎや身内がいないので遺骨をどうするか困っている人のために納骨から永代供養まで行ってくれる墓苑です。

改葬許可書などの手続きがいりますが、ネットで申し込めば指定のゆうパックで送ることができるということです。

自分たちは死んだらどこに入るかといえば、それはお墓に対する価値観の多様化であって、現代の埋葬の仕方について考えてみます。

  • 自然葬: 海葬や樹木葬など、自然に還ることを重視する埋葬方法が注目されています。環境への配慮や、個人の生前の価値観を反映させやすい点が魅力です。
  • 合祀墓: 複数の故人の遺骨を一つの墓に合祀する方法です。親しい仲間とかグループでお墓を作ります。
  • 納骨堂: 屋内に設けられた遺骨を納める施設で、保守管理が容易であり、天候に左右されずに訪れることができます。
  • 共同墓苑: 複数の家族や個人で共有する墓地で、土地の有効活用やコスト削減が可能です。
  • 永代供養墓: 特定の寺院や霊園が故人を永続的に供養するサービス。遺族がお墓の維持管理を心配する必要がなく、遺族がいない場合や、将来的にお墓の管理を引き継ぐ人がいない場合に選ばれることが多いです。

ここに書かれたこれらの傾向は、現代社会の変化に伴うものであり、個人が自分や家族にとって最適な埋葬方法を選ぶという考えに変わってきたのです。

看取りケアについて

人間が歳をとるということは、いろいろなことを考えておかなければならないことがあります。

看取りケアは、身内や家族の死を待つということではなく、いつか来る死に対していざという時に慌てずに対応するためのものです。

看取りケアは、終末期医療やターミナルケアだけではなく、家族や自分が死をどのように受け入れるかという「癒し」のプロセスでもあります。

高齢の親がいる場合、看取りの準備として、介護や死を受け入れ心の準備をしておくことが大切です。

これにより、いざその時が来ても慌てずに対応でき、今何をすべきかが明確になります。

この知識を持つことで、家族や自分自身が老いや死に対してどのように向き合うかがわかり、生活をより楽にすることができるからです。

死は悲しくつらいものです。

人間誰しも訪れる老いや死を受け入れることは、悔いのない生き方を模索するためにあります。

看取りケアを理解することは、家族や本人が死に対して後悔しない選択をして、安心して人生を過ごすことができるためのものなのです。