人生の老年期に差し掛かり、サラリーマン時代や子育てが一段落した時、多くの人が「これから何をすればいいか」と考えてしまいます。
毎日やることがあるという人は幸せです。
かつては仕事や子育てに夢中で、それが自分の生活の中心でした。
しかし、それらの役割が終わると、急に時間ができて目的を見失いがちになります。
趣味らしい趣味がないまま会社を定年になって、毎日が何もやることがないというのは辛いものです。
そこで、そのような人のために新たな趣味を見つける方法を考えてみることにします。
目次
趣味としての街歩きが脳活に良いということ
街歩きでは、日常と異なる風景や人々との出会いがあります。こうした新しい刺激は、脳がさまざまな情報を処理しようとするため、シナプスが活発に働き、記憶や認知機能を鍛える効果があります。
目的地までの道順を考えたり、地図を見たりすることで、脳の空間認識能力や計画力が刺激されます。目的地や寄り道を考えながら歩くことで、脳に複雑な思考を促し、思考力の維持に役立ちます。
街歩きは、視覚、聴覚、嗅覚などをフル活用する活動で、周囲の音に耳を傾けたりすることが脳に豊かな感覚の刺激に役立ちます。
歩くことで血流が良くなり、脳にも十分な酸素が送られ、運動は脳の健康に良い影響を与えることから、体と脳を一緒に鍛えることができる街歩きは脳活にとても良い趣味なのです。
趣味における脳活
趣味は、スポーツやアート、読書、旅行など、多岐にわたる活動を指しますが、これらは生産性を追求するものではなく、自分が楽しみたいことや興味を持っていることを行うものです。
趣味を始めることで脳に新たな情報が植え付けられ、脳に刺激となって脳活としての役割を与えます。
ゴルフが趣味の人にとっては、ゴルフは楽しみの一環ですが、歩くことやスコアを計算しながらゴルフをすることは、記憶力や計算能力など脳にとって刺激となり、脳が活性化されるのです。
また、趣味を通じて自己表現や創造性を発揮することで、より豊かで充実した人生を送ることができるのです。
趣味は自分が熱中できるもの
人間は趣味を通じて心身のバランスを保ち、今までと違ったことに熱中できるものです。
熱中できるものは人それぞれで、これをやれば良いというものではなく、その人が日常の自分から解放されるものが趣味と呼べるものなのです。
世の中には、野球やサッカーに夢中になっている人がいます。
スポーツができない人にとっては、応援することで楽しみや喜びを感じる人がいます。
応援することで日常から解放されたことから、スポーツ観戦の応援も趣味と呼んでもいいのです。
さらに、推し活といって、自分の好きな歌手に夢中になって追いかけるおばさま方も多くいます。
いわゆる自分が熱中するものは、千差万別ですが、日常と違う余暇をつかって行うことはすべて趣味と呼べるのです。
趣味の見つけ方
趣味を通じて得られる楽しさや達成感は、精神的な健康を維持するために重要です。
そこで、自分にとって何が熱中できて好きであるか、老後を楽しく生きるために自分の興味があるものは何かといったことを見つけることを考えてみることにします。
あなたが仕事以外で、自分がワクワクするようなことや情熱を感じたことはありますか。
それらの経験により、あなたが何に興味を持っているかという手がかりを見つけることができます。
新しいことを試してみることの重要性
地元のコミュニティで提供されているクラスに参加したり、オンラインで新しいスキルを学んだりして、自分が興味があることを経験してみてもいいのです。
料理、写真、ダンス、言語学習など、さまざまな活動をやってみることで、意外な発見があるかもしれません。
私の知り合いでペン回しが趣味という人がいます。
子供の頃から、学校の授業中などにボールペンなどの筆記用具を指で回転させて遊んでいました。
気分転換になって緊張していたりしているときにリラックスできるからということでしたが、このペン回しは世界中に愛好者がいて、技の難易度や美しさを競うコンテストがあるということです。
日本でも年に一回、日本ペン回しパフォーマンスコンテストという大会が開かれています。
今では、彼はペン回しの技術を磨くために日々努力しているということで、彼にとっての趣味はペン回しということになります。
このように、自分にとっての趣味は、自分のペースで楽しむことが大切なので、慌てて趣味を見つけようとするのではなく、時間をかけても自分が興味を示すことは何かということで探せばいいのです。
古地図で楽しむ江戸探索
シニアにとっての街歩きは、心身ともにリフレッシュが出来て健康に良い運動になります。
テレビでも古くは地井武男の「ちい散歩」や、今では高田純次の「じゅん散歩」と続いて、おじさんが散歩と称して街歩きを楽しんでいます。
NHKの「ブラタモリ」も、日本全国の主要都市を歩く番組でしたが、残念なことに放送は終わってしまいました。
この番組は、都市の歴史や地形を探究したり、東京などでは江戸時代の古地図などをたよりに、東京を再発見するという番組でした。
東京散策としての深川
東京の下町深川を地図を見ながら歩いてみることにしました。
江戸時代には、深川は物資の集散地として栄えました。
特に隅田川を利用した水運が発達したことから、木材や炭などを江戸市内へと運ぶ基点となっていました。
そのことから深川は江戸時代からの歴史を持つ地域で、東京の下町文化を色濃く残し、歴史的な寺院や商家、住宅が多く残る町として知られています。
特に深川不動堂や富岡八幡宮などの歴史的な寺社が有名で、深川の文化や歴史を象徴しています。
主な観光スポット
清澄庭園がある清澄白川あたりは、昔の工場の大きな建物を利用して大型のコーヒー店が立ち並び、おしゃれな街に変わりつつあります。
深川あたりには、その他に、東京都現代美術館、芭蕉記念館なども近くにあることから、この辺りをじっくり探索して歩くことで、昔ながらの下町とおしゃれでモダンな東京の融合を感じることができます。
街歩きの楽しみ 心身の活性化
高齢者にとって、家の中に閉じこもっているよりも、少し外に出るだけで、たくさんの刺激や変化を感じることができます。
歩くことは、筋肉を動かし、関節を柔らかくするので、体の健康を保ち、老化を遅らせる効果があります。
また、心肺機能にも良い影響を与え、病気のリスクを減らすことが知られています。
さらに、外の新鮮な空気や自然の光は、心をリフレッシュさせ、気分を明るくしてくれます。
街中を歩くことで、新しい発見をしたり、異なる環境に触れたりすることは、脳を活性化するのにも役立つのです。
新しい人との出会い
街を歩くことの魅力は、新しい人と出会ったり、新しい発見をしたりすることです。
特に高齢者にとって、日常の中で新しい人と出会うことは、生活の質を向上させる重要な要素です。
街を歩く中で、近所のお店の人や公園で散歩している人と話したり、街のイベントや集まりに参加することで、自然とコミュニケーションが生まれます。
これにより、孤独感が和らぎ、自分が社会の一員であることを感じられるようになります。
さらに、定期的に外出することで、顔見知りが増えるだけでなく、友達を作る機会も増えてきます。
街歩きを通じて、新しい人々と繋がり、社交の場を広げることは、老後の生活に楽しさを加えてくれます。
新しい経験との出会い
街を歩くと、これまで気づかなかった歴史や文化、変わりゆく街の風景に目を向けることができます。
季節の変わり目やイベントの時期には、その地域特有の風物詩や伝統に触れることもでき、心に残る体験が得られます。
人生の中で新しい経験は、私たちを成長させ、新しい視点を与えてくれます。
特に高齢者にとって、新しい経験は日常生活に刺激を与え、生活の質を向上させる重要な要素です。
街歩きは、そんな新しい経験の宝庫で、歩きながら新しいお店を発見したり、美術館でのアート作品に心を奪われたりすることもできるのです。
日常の習慣作り
私たちの日常生活は、しっかりとした習慣を持つことで、心の安定や生活のリズムを保つことができます。
特に高齢者にとって、生活の習慣化は健康の維持や生活意欲の向上にもつながります。
毎朝、特定の公園を散歩することで、起床時間を定めるきっかけとなったり、週に何度か訪れるお気に入りのカフェでのひと時が、日々の小さな楽しみとなります。
街歩きを習慣化することで、外出の目的や時間帯を決めることが、日常生活の中での一定のリズムやパターンを作り出してくれます。
街歩きという趣味は、生活全体の質を向上させるだけでなく、健康や心の平穏にもつながることになることから、街歩きという趣味はいかがですか。
街歩きがもたらすもの
シニアにとって、街歩きはとても楽しい行動です。
街を歩くことで、新しい場所や人々と出会い、日常とは違った刺激を受けることができます。
これらの新しい経験は、シニアにとって平凡な日常からの解放であり、歩くことの楽しさと共に、小さな充実感を味わうことができます。
運動不足のシニアにとって、自分の足で目的地まで歩くことは、健康にとても良い趣味と言えるでしょう。
街歩きを通じて、心身を活性化し、社交の場を広げ、新しい経験に触れることができるのです。
こうして、街歩きを趣味として取り入れることで、シニアは社会との繋がりを保ち、人生をより豊かに積極的に生きる手助けを得ることができます。
趣味を持つことは、老後の人生において小さな一歩を踏み出すことでもあります。
ぜひ、あなたも街歩きを趣味として始めてみませんか、新しい発見や出会いが、きっとあなたの人生をさらに充実させてくれることでしょう。