人生100年時代といわれる現代で60歳の定年後も働き続けることが一般的になってきました。
特に高齢化が進む日本では、介護職が慢性的な人手不足に直面しており、シニア世代の活躍がますます期待されています。
60歳を過ぎて「セカンドキャリア」として介護業界に転職する人は、多様な職場で経験やスキルを活かすことができ、介護業界においては介護の場の広がりとして喜ばれます。
介護職は利用者との世代の近さを活かして円滑なコミュニケーションが図れたり、シニアならではの強みが発揮できる職種として働く意義があるからです。
しかし、介護職は身体を使う仕事であり、特に介助や移動を伴う業務では体力が求められます。
さらに、介護業界においては資格の有無によって、働き方に制限があることから、資格がない人は有資格者の監視のもと介護助手として働くことをしなければなりません。
ただ、働いていくうちに資格に挑戦することもできるのと、レクレーション運営や生活援助、送迎運転手、調理、清掃などは資格が無くても働くことができます。
介護業界での働き方についての記事は他にもありますのでそれも参考にして下さい。
目次
介護職がセカンドキャリアとして注目される理由
介護業界は深刻な人手不足に直面しており、高齢化が進む日本では介護職員の需要が増え続けています。
介護職がシニアのセカンドキャリアとして注目される大きな理由は日本の高齢化と人手不足に原因があります。
この問題を解決するためには、元気なシニア世代が戦力として期待されているのです。
シニアは社会経験が豊富で、コミュニケーション能力や対人スキルに優れていることから、介護職での需要が高まっているといえます。
それに、介護職は未経験者でもスタートしやすく、短期間の研修や資格取得で基礎知識を得ることができるため、働きやすい点も魅力です。
このような理由から、介護職はシニア世代にとって有望なセカンドキャリアとして注目されている職業なのです。
介護職で働くメリット
介護職は、シニアにとって理想的なセカンドキャリアです。
年齢に関わらず働ける環境が整っており、利用者とのコミュニケーションや介護スキルの習得、社会貢献を通じて大きなやりがいを感じられます。
また、この業界で働くことが慣れることで、いつまでも働くことができ70歳を過ぎてもヘルパーとして働いている人がいます。
さらに、自分や家族が介護者になったときの、将来に備えるためのスキルが身につくため、介護職での経験は今後の生活においても大きな意味を持つことが出来るのです。
ただ、介護職で働くということは大きなデメリットもあります。
介護職で働くデメリット
介護職で働くことを考える際に、現実と期待のギャップについて考えることが重要です。
多くの人が「人の役に立ちたい」「社会貢献ができる仕事がしたい」という思いで介護業界に入りますが、実際の仕事内容は身体的な介助や利用者とのコミュニケーション、さらには家族との対応など予想以上に多岐にわたります。
そのため、入職後に「思っていたのと違う」と感じることが少なくありません。
このようなギャップを避けるためにも、事前に具体的な仕事内容をしっかり調べ、自分に向いているかどうかを考えることが大切です。
また、現場の見学やインタビューを通じて、実際の働き方や雰囲気を直接確認することも重要です。
こうした準備を怠らないことで、自分にとっての介護で働くことが適職かどうかより正確に判断することができるのです。
介護職で働ける年齢
介護業界では、60歳を過ぎても働くことは可能です。
人手不足な業界のために、あなたが元気でやる気があるのならいつまでも働くことができます。
介護業界では、再雇用制度やシニア向けの求人が多く、65歳以上でも介護職として働いている人はたくさんいます。
年齢を問わず働ける環境が整っていることと、介護職は他の職種と比べて採用ハードルが低く、未経験からでも始めやすいのが特徴です。
こうした背景から、70歳以上でも働いている人がいるということで、高齢者が高齢者を介護するということになります。
シニアが介護職を目指す背景
シニアが介護職を目指す背景には、いくつかの重要な要因があります。
日本では高齢化が進むにつれて介護職員の需要が急増しており、特に豊富な経験と社会的スキルを持つシニア世代が注目されていることで、働きやすい職場を目指すことをしています。
以前のような、汚い過酷、賃金が安いという環境は見直されるようになっています。
また、定年を迎えた後でも働きたい人や、社会とつながっていたいと考えるシニアが増えており、介護職はそのようなニーズを満たす選択肢の一つとしてあります。
業界側も即戦力として期待できるシニアの採用を積極的に進めており、多くのシニアが異業種からの転職や定年後の再雇用を通じて、やりがいのある仕事として働くようになっています。
さらに、自分自身や家族の将来の介護に備えるためのスキルを身につけることができる点も大きなメリットとして、シニアで働く人も増えてきているのです。
介護職の社会貢献とやりがいについて
介護職は、人の役に立つ社会貢献を実感できるやりがいのある仕事です。
高齢化が進む日本において、介護職員は高齢者やその家族にとって欠かせない存在となっています。
また、介護を受ける人やそのご家族からの「ありがとう」という感謝の言葉は、仕事に対するモチベーションを大きく高め、誰かの役に立っているという実感は、自己肯定感や充実感につながることになります。
直接的な支援を通じて社会に貢献しているという実感が得られるため、充実した毎日を送ることができる仕事です。
さらに、介護職は人と深く関わり、共感しながらケアを提供するため、人間関係の中で得られる満足感は大きいと言えます。
介護職は社会に貢献するだけでなく、自身にも大きな充実感とやりがいが得られる仕事であって、誰かを支えることで、自分自身の生きがいも見つけられる仕事なのです。
シニアが介護職として働く際の注意点
シニアが介護職として働く際には、いくつかの注意点があります。
まず、体力面で注意が必要です。
介護職は身体的な負担が大きい仕事であり、特に歳をとってくると体力や筋力が低下してきます。
無理な姿勢での作業や介助が原因で、腰や膝を痛めるリスクがあるために、日常的に体力を維持することが重要です。
また、自分の体調に応じた無理のない勤務時間や業務内容を選ぶことも大切です。
無理をすれば、自分にも他のスタッフにも負担がかかってくるからです。
最近の施設勤務では、夜勤の働き方改革や、休日やパート部門などの働き方が見直されてきていることから、シニアにとっても働きやすい環境が整えられてきています。
介護現場では、若いスタッフや上司と協力して仕事を進めることが一般的で、年下のスタッフから指導を受ける場面もありますが、謙虚な姿勢で受け入れ、チームとしての協力を大切にすることで、みんなが助け合いながら働くということができます。
これらの注意点に気を付けながら、シニア世代でも安心して介護職で活躍できる環境が作られ、充実した生き方を味わうことができるのです。
介護の資格取得の検討
介護職を目指すシニアにとって、資格取得は非常に重要です。
特に未経験者であれば、基本的な知識とスキルを学ぶために資格を取得することが、スムーズな転職や職場での活躍に役立ちます。
介護職の入門資格として、最も一般的なのが「介護職員初任者研修」です。
この資格は、誰でも受講でき、約130時間の講義と実技を通じて、介護の基礎的な知識や技術を習得します。
この初任者研修を修了することで、介護現場での実務が可能になり、介護職に必要な基本的なスキルを持っていることが証明されます。
また、資格を持つことで、採用時のアピールポイントにもなり、転職活動が有利に進む場合が多いと言えます。
さらに、介護職で経験を積んだ後には、「介護福祉士」の国家資格を目指すこともでき、キャリアアップや給与の向上が期待されます。
施設によっては資格の取得の支援制度を行なっているところもあります。
資格取得の意欲を示すことは、職場での評価にもつながり、自己成長にもつながる重要なステップです。
資格を取得することで、自信を持って介護職に取り組むことができ、より豊かなセカンドキャリアを築くことができるようになります。
介護業界のいろいろな資格
シニアが介護業界で活かせる資格が、いくつかあります。
介護業界で働く際、自分の得意分野や興味を活かせる仕事を選ぶことは、やりがいを感じながら楽しく働くための大切なポイントです。
たとえば、レクリエーション介護士として高齢者が楽しめる活動を企画・実施する仕事や、ハンドマッサージを通じて心と体を癒す仕事があります。
これらの仕事は特別な資格やスキルが活かせるだけでなく、人と接することが好きな方にぴったりの役割です。
介護業界では単に支援するだけでなく、高齢者の生活をより豊かにするための新しい形の仕事が広がっています。
あなたも自分の経験や特技を活かして、介護業界で新しい一歩を踏み出してみませんか?
福祉住環境コーディネーター
福祉住環境コーディネーターは、高齢者や障害者が自宅で安全かつ快適に生活できるように、住環境の改善やアドバイスを行う専門家です。
住宅のバリアフリー化や改修の提案、生活用具の選定などを行います。
この資格は、建築や福祉に関する知識が求められ、専門的な研修と試験に合格することで取得できます。
准サービス介助士
准サービス介助士は、公共交通機関や公共施設での移動支援を行う資格です。
高齢者や障害者が社会参加を行う際に、移動のサポートを提供し、安全かつスムーズな外出を支援します。
基本的な介護技術や移動支援の方法についての研修を受け、試験に合格する必要があります。
介護予防健康アドバイザー
介護予防健康アドバイザーは、高齢者が自立した生活を続けられるように支援する専門職です。
この資格を持つ人は、高齢者の身体的、精神的健康の維持と向上を目指し、適切な運動や栄養、生活習慣のアドバイスを提供します。
主に、高齢者やその家族、地域社会に対して予防介護の重要性を啓蒙し、具体的な健康管理の方法を伝える役割を担います。
高齢者傾聴スペシャリスト
高齢者傾聴スペシャリストは、高齢者の心の健康を支えるために、高齢者の話に耳を傾けじっくりと聴くことに特化した専門職です。
この資格を持つ人々は、高齢者が直面する孤独感、不安、ストレスなどの感情的な課題に対処するのを助けるために、相手の話を聴くことで、高齢者との効果的なコミュニケーション技術を発揮します。
傾聴スペシャリストは、高齢者が抱える心の内を理解し、共感的とともに相手意見をを肯定することで、精神的なサポートを提供します。
認知症介助士
認知症介助士は、認知症の人々とその家族をサポートするための専門知識と技術を持った専門職です。
この資格を持つ人は、認知症の理解を深め、適切な介助やコミュニケーション方法を学んで、認知症患者の日常生活の質を向上させることを目指します。
認知症患者とその家族に対する心理的なケアは重要なもので、介護の大変さなど当事者でないと分からないことから、認知症の患者がいる家族は孤独になって追い込まれていきます。
人超を抱える家族や介護をする人に寄り添ってサポートをすることで、心の支援を含めより良いケアができるように助けます。
レクリエーション介護士
レクリエーション介護士は、高齢者や障害を持つ方々の生活の質を向上させる専門職です。
主に介護施設やデイサービスで活動し、参加者が楽しめる様々なプログラムを提供します。
これには運動、趣味の活動、手工芸、楽器演奏や歌唱などが含まれます。
レクリエーション介護士の目的は、参加者に日々の生活での充実感を感じてもらい、社会との繋がりを強化することです。
それぞれの利用者の興味や能力に合わせた活動を選び、それを通じて健康促進や生活の質の向上に寄与します。
レクリエーション介護士は、楽しい時間を提供することで、参加者の精神的な安定と幸福感を高めます。
ゲームやダンスなどコミュニケーションを重視し、介護の現場で利用者に喜びと活動の機会を提供します。
レクリエーション介護士の需要
高齢化が進む現代社会において、介護施設やデイサービスにおけるレクリエーション活動の重要性が増しています。
介護施設では、利用者に提供するサービスの質の向上が求められており、多様なレクリエーション活動の提供が競争力の一つとなっています。
そのため、レクリエーションを専門的に提供できる人材が重宝されています。
元気なシニアが、ボランティアとして介護施設などを訪問して、お年寄りを喜ばすようなことをすることがレクリエーション介護士としての役割なのです。
高齢者の多くは、身体的な健康だけでなく、精神的な健康も維持する必要があり、そのためにも心地よいレクリエーションが不可欠なのです。
レクリエーション介護士は、こうしたニーズに応える専門職として、今後ますます需要が高まると考えられています。
レクリエーション介護士になるには
レクリエーション介護士になるためには、一般社団法人日本アクティブコミュニティ協会が提供する資格を取得します。
この協会は、レクリエーションを通じて地域社会や施設内のコミュニティを活性化する専門家を育成するための資格認定制度です。
主に2級と1級の資格があり、どちらも試験に合格することで取得できますが、それぞれの試験には異なる要件や内容があります。
レクリエーション介護士2級
レクリエーション介護士2級の資格を取得するためには、特定の受験要件が設けられています。
通常、一定の学歴や経験が必要ですが、詳細は各試験機関の規定に基づきます。
2級試験では、レクリエーションの基本的な知識や実技が問われます。
試験対策としては、公式の教材や過去問題集を使って勉強することが推奨されます。
レクリエーション介護士1級
レクリエーション介護士1級は、2級よりも上級の資格であり、より専門的な知識と技術が求められます。
受験要件には、4日間の通学による講座を受けてもらい、その後、実技と筆記試験を受けます。
合格後に現場実習を受けて認定証が交付されます。
1級試験では、より高度なレクリエーションの企画や実施に関する知識が問われるため、十分な準備と専門的な学習が必要です。
レクリエーション介護士になるメリット
レクリエーション介護士として働くことで得られるメリットは多くあります。
まず、利用者とのコミュニケーションを通じて、人間関係のスキルを磨くことができます。
さらに、さまざまなレクリエーションのバリエーションを学び、実践することで、活動の幅が広がります。
また、イベントの企画や実施を通じて、企画力や実行力が自然に身につきます。
シニアにおいては、レクリエーション介護士の資格があることで、介護施設での転職活動にも有利に働く場合があることや、何よりも施設の利用者さんにとても喜ばれるのです。
ハンドマッサージでお年寄りを元気に
ハンドセラピスト&リフレセラピスト資格対応講座ハンドマッサージは介護現場で大きな役割を果たします。
お年寄りの手を握ってやさしくマッサージをすることで、心地よいリラクゼーションを提供するだけでなく、安心感とともに孤独や不安を取り除く癒し効果があります。
さらに、ハンドマッサージは血流を改善し、手足の冷えや痛みを軽減することで身体的な快適さを提供します。
関節の柔軟性を高め、筋肉の緊張を和らげることにより、日常生活の質が向上します。
このような物理的な効果は、高齢者がより活動的で自立した生活を送る助けとなります。
触れる行為は、言葉を超えた深い絆を生み出すことができ、特に言葉でのコミュニケーションが困難な場合には、重要な役割を果たします。
寝たきりの親の介護において、ハンドマッサージを施すことで親子の絆を再確認することができるのです。
介護職においてもハンドマッサージの技術を持つことは、介護施設や在宅介護の環境で求められるサービスの質を高め、より専門的なケアを提供することができるようになります。
ハンドマッサージの資格を取得した受講者の声があります。
(日本統合医学協会ホームページより)
ハンドマッサージの資格について
医療は手当てというように、ハンドマッサージは誰でもできる施術です。
ハンドマッサージの方法を習うことで、日常生活において家族や友人、また自分自身に対しても即座にリラクゼーションと痛みの緩和を提供することができます。
これは、特にストレスが多い現代社会において、心身の健康を維持する手助けとなります。
さらに、この技術を身につけることは、介護の現場やプロのセラピーの職場での活動にも大きな利点をもたらします。
介護職はシニアにとって理想的な仕事
介護職は、シニアにとって理想的な仕事と言えます。
その理由は、豊富な人生経験を活かせることができるからです。
シニア世代は長年の社会経験や人間関係で培ったスキルあり、介護現場では、利用者とのコミュニケーションが重要で、特に同じ世代に近い高齢者との共感や信頼関係を築きやすいからです。
これまでの経験を介護現場で活かすことは、利用者に安心感を提供することができるのです。
やりがいと社会貢献
介護職は利用者の生活を直接サポートし、人の役に立つことができる非常にやりがいのある仕事です。
高齢化社会において介護職は欠かせない存在であり、働くことで社会に大きく貢献していることを感じられる仕事であり、介護業界は年齢に関係なく働ける環境が整っています。
人手不足が深刻であるために、元気であれば長く働き続けることができる介護業界で働いてみませんか。
60歳を過ぎても再雇用制度やパートタイムなど柔軟な働き方が可能であるので、これまでの経験や知識を活かしながら無理のない範囲で働ける点で、介護職はシニアにとても適しています。
介護が必要な困っている人々に寄り添い、社会に貢献しながら自分自身も充実感を得られる介護職は、セカンドキャリアを考えるシニアにとってぜひおすすめしたい仕事です。