シニア世代が仕事を選ぶ際には、これまでの経験や生活スタイル、体力を考えて、自分に合った職種を見つけることが大切です。
長時間の立ち仕事や重労働は避け、無理なく続けられるような軽作業か柔軟な時間帯で働ける仕事が理想です。
女性であるなら家事代行や介護職などが、やりがいや充実感を得られる仕事としてあります。
男性ならマンションの管理人か警備や倉庫整理などの業務があり、働くことで健康的で豊かなセカンドライフを実現することができるのです。
ただ、仕事を選ぶにおいて何でもいいからということではなく、長年培ってきた知識やスキルを活かせる職種を選ぶことが、セカンドキャリアとしてのシニアの強みといえます。
例えば、経理経験があれば会計関連の仕事、教育経験があれば家庭教師やカルチャースクールの講師など、自分の得意分野で貢献できる職業を探すことが、今までの経験を活かすことになります。
シニアの仕事選びでは収入だけでなく、やりがいや働きやすさとのバランスが重要で、過度なストレスやプレッシャーを感じずに働ける仕事を選ぶことで、心身の健康を保ちながら収入も確保できるということが望ましいのです。
目次
求人を見つける方法
シニアが仕事を見つけるには、一般的にはハローワークでシニア向けの求人を探す方法があります。
ハローワークでは、60歳以上のシニアを対象に相談員が個別に対応してくれるため、適した仕事を見つけやすくなっています。
地方自治体でもシニア向けの就労支援のために、就職斡旋や高齢者向けの職業訓練などのプログラムや説明会を開いています。
その他には、折り込み広告やフリーペーパーなどから求人募集を見つける方法があるのですが、シニアの求人に特化した仕事情報サイトがあります。
シニアジョブ:60歳以上向けの正社員や契約社員、アルバイトの求人情報を多数掲載している情報サイト。
マイナビミドルシニア:再就職や副業を検討しているシニア向けの求人情報を提供しており、希望に合った条件での検索が可能。
はた楽(求人ナビ):40代、50代、60代の方のための、日本最大級の求人情報サービス。
シニア求人ナビ:50代、60代のお仕事情報求人サイト。
シニアの仕事探しの注意点
シニアに適した仕事の求人募集ということで働いてみると、体力的にきつかったり、募集内容と違ったりすることがあります。
長時間の立ち仕事や重いものを運ぶような仕事は、無理をして働くことで健康を害する可能性があります。
勤務時間や仕事内容もよく確認して、自分の生活リズムに合った仕事を選ぶことが大切です。
すべての仕事がシニアに適しているわけではないため、シニア世代を歓迎している求人や、シニアに適した職種を探すことがポイントで、マンションの管理人や清掃、介護などの体力的な負担が少ない仕事や、経験を活かせる仕事を探すとよいでしょう。
シニアの場合は、フルタイムで働くのが難しいケースも多いため、労働条件をしっかり確認することが必要です。
働く時間や日数、勤務場所、仕事内容など、自分の希望と合致しているかを確認して、契約内容や給与についても、事前にしっかり確認することが大切です。
シニアの仕事探しでは、必ずしも高い収入を優先する必要はないので、働くことで得られるやりがいや社会とのつながりなど、自分が何を求めて仕事をするのかを明確にすることが大事です。
働く楽しさややりがいは働く上で大事なことであって、社会的な貢献度を感じられる仕事を選ぶようにすると長続きすることができます。
新たな仕事を一から覚えたり、パソコン操作などシニアにおいてハードルが高いのですが、新しい分野のスキルを学ぶことや、最新のテクノロジーやトレンドに触れ、新しいことを覚えることは充実感が増すことから、無理しない程度に挑戦することも大事なことになるのです。
詐欺や悪質な求人に注意
世の中には悪いことをして騙す人間もいることから、信頼のおけない情報で仕事を見つけることをしないように注意しなければなりません。
シニアを狙った投資詐欺などに勧誘して、金品をだまし取る悪質な求人も存在します。
特に、初期費用や高額な登録料を要求する求人や、内容が曖昧で具体的な説明がない仕事には注意が必要です。
信頼できる求人サイトや公共の就職支援機関を利用することで、安全に仕事探しを行い悪いことに巻き込まれないようにしましょう。
あまりに条件が良すぎる求人には慎重になり、契約内容をよく確認してから応募することがトラブルを避けることになります。
再就職に向けた心構えを持つ
シニアが再就職に成功するためには、柔軟な姿勢や学び続ける意欲、前向きな気持ちが必要です。
また、これまでの経験を活かしながら新しい環境に適応し、無理のない働き方を選ぶことで、充実したセカンドキャリアを築くことができます。
再就職は新しいチャレンジですが、それを楽しみながら自分に合った仕事を見つけることで、豊かな人生を続けることができるのです。
そしていつまでも楽しく働くために、新しい職場での人間関係を築くことは、再就職を成功させるための大きな要素です。
シニア世代にとって、前職のキャリアが邪魔することがあったり、同じ職場の中で年下の上司に注意されたりすることがあります。
そのような時でも、周囲に同調しながら積極的に働くことが重要です。
年齢や世代を超えたコミュニケーションを大切にし、職場の雰囲気に柔軟に対応することで、職場での信頼を築けることができるからです。
年代別の職場選びのポイント
50代、60代、70代のシニアが仕事を選ぶ際、それぞれの年代で異なるニーズや状況に応じたポイントがあります。
50代の仕事選び
50代はまだ体力があり、これまでのキャリアやスキルを活かして働きたいという意欲も強い年代です。
そのため、今までの経験を活かせる職場を見つけることで、キャリアアップを目指すことができます。
また、定年後を見据え、新しいスキルを習得するのに最適な時期でもあります。
年金受給までの収入をしっかり計画し、定年後も続けられる仕事を選ぶことが大切で、再雇用制度を利用するか、転職先で長期的な収入計画を立てるなど将来を見据えた仕事選びを心がけます。
60代の仕事選び
60代は、定年後の生活を考えて、今後の働き方を見直すタイミングです。この時期は、体に負担の少ない仕事を選び、無理なく長く働き続けられることが重要です。
定年後にどう時間を使うかを考えながら、フルタイムではなくパートタイムや短時間勤務を選ぶこともおすすめです。
これにより、趣味や家族との時間を大切にしつつ、バランスの取れたセカンドライフを楽しむことができます。
70代の仕事選び
70代になると、年金を受け取る時期であるのですが、年金だけでは生活が苦しい場合もあります。
現在では、70代でも働かなければならない状況にある人も増えていることから、無理のない範囲で働くことをします。
仕事を通じて適度に体を動かすことが健康維持にも良い影響を与えるので、健康を最優先にしつつ、自分に合ったペースで働ける職場を見つけることが大切なのです。
シニアが働ける職種
シニア世代に適した仕事には、体力や経験、スキルに応じたさまざまな仕事の選択肢があります。
年齢を重ねた後でも無理なく続けられ、やりがいや充実感を感じられる仕事を選ぶことが大切です。
以下に、シニア向けの代表的な仕事をいくつか紹介します。
1. 家事代行サービス
シニアの経験を活かせる家事代行サービスは、掃除、洗濯、料理などの日常的な家事を代行する仕事です。
家庭の事情で家事を手伝ってほしいというニーズが増えており、シニアにとって働きやすい職種です。
時間や場所を自分で調整しながら働ける点も魅力です。
2. 介護職
高齢化社会において、介護の仕事はますます需要が増しています。
シニア自身が介護の経験を通じて他者に貢献することができ、やりがいを感じられる職業です。
介護職員初任者研修など、比較的短期間で取得できる介護関連の資格を取ることで、基本的な介護技術や知識を身につけることができます。
資格があれば、自信を持って介護業務に従事できますし、キャリアアップができ求人の幅も広がります。
3. 警備員
警備の仕事は、体力に自信があるシニアに適した選択肢です。
建物の出入り管理や施設の巡回など、比較的簡単な業務が多い一方で安定した需要があります。
また、シフト制で働くことができるため、シニアにとって都合の良い時間帯を選べるのもメリットです。
4. 店舗の案内スタッフ
受付や案内業務は、接客やコミュニケーションスキルが求められる仕事です。
シニア世代の経験や人間関係のスキルが活かせる職種であり、立ち仕事が比較的少ないため体力に不安がある方にも向いています。
5. 講師や家庭教師
シニア世代の豊富な知識や経験を活かして、教育分野での仕事も可能です。
例えば、得意な科目や専門知識を教える家庭教師や、趣味を教えるカルチャースクールの講師などがあります。
自分のペースで働ける点や、人に教える喜びを感じられる点が大きな魅力です。
6. 農業・園芸
自然の中で体を動かしながら働くことに魅力を感じるシニアにとって、農業や園芸は健康維持にもつながる仕事です。
特に小規模な家庭菜園を営むことで、自分で育てた作物を販売したり、地域のコミュニティに貢献することができます。
7. 清掃スタッフ
オフィスビルや病院、学校などでの清掃業務も、シニアに適した仕事です。
決まったルーチンで仕事ができるため、慣れれば働きやすく体力的な負担も調整しやすいのです。
また、需要が高いため、安定した収入が見込めます。
また、少ない初期投資で始められるハウスクリーニングビジネスを開業することもできます。
8. ドライバー(タクシー・送迎バス)
運転免許を持っているシニアにとって、タクシーや送迎バスのドライバーは魅力的な選択肢です。
特に高齢者や子どもの送迎を行う業務は社会的な意義があり、感謝される仕事です。
短時間や地域限定の送迎ドライバーを選ぶことも可能です。
9. シニア向けコンサルタント・アドバイザー
退職後の生活や年金、保険、資産運用に関するアドバイスを提供する仕事は、シニアの経験を活かす場として非常に有益です。
特に同年代の方々に対する相談役やアドバイザーとして、人生経験を共有しながら役立つ情報を提供できます。
10. オンラインビジネス・ブログ運営
インターネットを活用した仕事も、シニアにとって現代的で有望な選択肢です。
例えば、ブログを運営して情報を発信して収益を得ることができます。
パソコンやスマートフォンの操作に慣れていれば、家にいながら自由に働けるというメリットがあります。
シニアにとって、体力や経験、スキルに応じたさまざまな仕事があることから、自分に合った仕事を選び、無理なく充実したセカンドキャリアを築くことが可能です。
また、社会に貢献しながら自分自身の生活にも活力を与えることができるため、生きる上での充実感を味わうことができるのです。
介護関連のシニア業務
介護業界は人手不足が続いています。
高齢化が進む日本社会では、介護を必要とする高齢者の数が増加していて、従来の介護職員だけでは対応しきれない部分があるからです。
そこで、元気なシニアが介護支援に関わることで、より多くの高齢者が適切なケアを受けられるようになることから、元気な高齢者が介護が必要な高齢者をサポートする時代になってくるかもしれません。
介護といっても身体介護は、若く力がある人でなくてはできないので、身体的な負担が少ない軽度の介護助手や家事サポート、食事の準備、掃除や整理整頓などならシニアでも充分に働くことが出来ます。
また、介護施設やデイサービスでは、他の高齢者のためにレクリエーション活動をサポートしたり、話し相手になってあげることなど、シニアの豊富な人生経験と共感力を活かせる仕事としてうってつけです。
同じ世代の人間として、介護を必要とする高齢者の気持ちに寄り添いやすく、利用者とのコミュニケーションを円滑に図ることができることはシニアならでの仕事になります。
このようなことから、50代から60代の方々が介護の現場で働くことは、長年の仕事や家庭生活を通じて培ったスキルが、介護現場でも活かせることになるのです。
シニアの人生経験と共感力を活かして、介護現場で活躍することで、社会に貢献しつつ自分自身も充実感を得ることができる素晴らしい選択肢に介護の仕事があると言えます。
シニアがシニアを支える「助け合いの時代」がこれからの介護においてますます重要になってくるのではないでしょうか。
シニアが活躍する時代
これからの時代は、70代でも働くことが一般的になってきます。
高齢化が進む中で、年金だけでは生活費が足りない人が増え、70代のシニアも収入を得るために働く必要が出てくるからです。
また、昔に比べて健康で元気な70代の人が多いことも理由の一つです。
健康なシニアにとって、仕事をすることで社会とのつながりを持ち続け、心身の健康を保つことができるという大きなメリットがあります。
仕事を通じて適度に体を動かすことで、生活にリズムができ健康にも良い影響を与えることが知られています。
そのため、70代でも現役で働く時代がすぐそこまで来ていて、シニアが無理なく働ける職場環境や、自分のペースで取り組める仕事を選べば、収入を得ながら充実した高齢者でも生活を送ることができるのです。
これからは、70代でも働き続けることがますます当たり前になるのではないでしょうか。