
私たちの心に浮かぶ老後のイメージは、年金生活でゆったり過ごす生き方でしょうか。
長年の仕事から解放され、静かに時を過ごす時間は確かに魅力的です。
しかし、仕事を辞めて心の活力や情熱を失ってしまっては、生きる張り合いまでなくしてしまいます。
むしろ、老後に新たな目的を持つことで、日々の行動を充実させることができます。
私たちの人生において、老後という時間は新しい冒険の始まりを意味します。
老後について考える
私たちが老後という言葉を聞くと、多くは高齢になって人生をリタイアして、のんびりとした生活や余暇を楽しむ時間をイメージすることでしょう。
しかし、そのような時間だけが老後のすべてではありません。
人生における老後ということを考えたときに、多くの人々がこの時期を安らぎや余裕のある時間として考えます。
老後は第一線から退いたからできる束縛や執われから解放された自由な考えの中で、社会とのつながりを維持し生活に目的や意義を持ち続けることで豊かな老後を生きることです。
したがって、老後は人生を引退したということではなく、まだまだこれから違った立場で活躍することができる第二の人生の始まりということになります。
新たな老後の生き方
老後は、人生の新しいステージとして、これまでの日常や価値観から少し距離を置き、違った視点で生活を楽しむことができます。
第一線で働いていた時は考える余裕さえなかったことが、老後において豊かさや遊び心を取り入れることができることに気がつけば、老後はなんと楽しいものであると感じるのです。
老後は、これまでの忙しさから解放され、自分のための時間として使える期間です。
すべてが自由と言わないまでも、働くもよし、趣味の世界を生かすもよし、旅行に行くのもよしという、今までにない時間を自分でコントロールすることができるのです。
地域コミュニティとのつながり
老後は新しい人生の始まりとも言える大切な時間であるなら、今までのキャリアや肩書を捨てて、自分という個人で地域コミュニティとのつながりを持つことが必要です。
地域の催しやお祭りに参加することは、新たな楽しみや経験を手に入れることができます。
たとえば、音楽が好きであれば、地域のバンド活動に参加し、お祭りなどで演奏を楽しむこともいいでしょう。
こうした活動は、自分の中の未発見の楽しみや才能を引き出すだけでなく、地域とのつながりを深め、社会的な役割を果たす場ともなります。
今までの会社というつながりから、新たなつながりが地域コミュニティにあるのです。
老後の生活に新しい風を吹き込むためには、積極的に自らの手で地域の活動に飛び込む勇気が必要です。
老後を楽しく生きるために
私たちの多くは、会社員時代には職場の要求や期待に応えることに専念し、一生懸命に日々を過ごしてきました。
また、子育てが主要な役割となった時期には、子供たちのニーズに応えることで日々が埋め尽くされ、自分自身のことを後回しにしてきたのです。
しかし、それらの日常から解放されると、私たちは突然、何をすべきかどのように過ごすべきかという大きな問題に直面します。
これは、私たちが「第二の人生」と呼ぶ新しいステージに立たされていることの証です。
この新しいステージは、外部からの期待や役割に基づくものでなく、自分自身の意志や選択に基づいて形成されたものであるということになります。
第二の人生は、自分の選択と意志で形成されるものであり、これからの人生を充実させるためには、自分自身で意識的に決断を下し、第一歩を踏み出す勇気が必要になるのです。
老後の一歩を踏み出すために
老後を迎えたときの最初の一歩は、自分自身の価値観や夢を見つめ直し、新しいことに挑戦して積極的に取り組むことです。
もともと趣味ややりたいことが明確な人は、定年退職したらすぐにそれに取り組むことをします。
そのような人にとっては、悩んだり迷ったりすることなく新たな一歩を踏み出すことができるのです。
一方で、踏み出せない人というのは、自分が何に情熱を持てるのかがわからない人が多いかもしれません。
趣味を見つけなさいとか興味のあることをやりなさいと言われても、これまでそうしたことを考えたこともない人にとっては難しい課題となるのです。
また、もともと社交的で地域に馴染んでいる人は、すでにその環境での活動を楽しんでいることが多く、新たに無理をしてまで何かを始める必要がないのです。
そこで、老後に何をしていいか分からない人のために次のヒントを考えてみることにしました。
- 地域のコミュニティを利用する
多くの地域には、趣味や学びの場としてのカルチャーセンターやコミュニティセンターが存在します。様々な講座やワークショップが開かれており、新しい知識や技術を学ぶだけでなく、同じ興味を持つ人々との出会いの場となっています。 - 趣味のサークルを活用する
近年、趣味や興味を共有するグループがオンラインで結成されることが増えています。特定の趣味や興味を持つ人たちが集まる掲示板やSNSグループなどを活用することで、遠くの人々とも交流の場を持つことができます。 - 趣味のイベントやワークショップに参加する
アート展やクラフトフェア、料理教室など、特定の趣味や興味をテーマにしたイベントやワークショップは、新しい友人や知人との出会いの場となります。資格などに挑戦するのもいいかもしれません。 - 資格試験などで学び直す
大学では、公開講座を毎週行っていたり、年間を通して社会人やシニアの人の学びの場を設けたりしています。自分がやる気があるとしたら、自分の好きな歴史や文学、地理など学生として学び直すことも生きがいにつながります。資格試験にチャレンジしたり、社会人入試制度を利用して、もう一度大学生活を味わうことも、何かの発見につながるかもしれません。 - 社会貢献など人の役に立つことを始める
このように、近くのカルチャーセンターやコミュニティでの講座を受けてみたり、新しいスポーツなどに挑戦するなど、未経験のことを試す勇気を持つことで一歩を踏み出すことができます。
老後を楽しむために
俳句の会やカメラを持っての小さな旅など、日常を違った角度から見てみると、小さな幸せや何気ない風景が季節の移ろいと共に素晴らしく感じることができます。
自然にふれ合うための一人旅や、グループツアーに参加して旅行をするもよし、読書会やサークルで新しい知識や考え方に触れるのも楽しむことができます。
運動としてテニスや社交ダンス、ヨガなど体を動かすことで体力維持するとともに、新しいことに挑戦することは新たな友達を作る良い機会にもなります。
家族や友人との会話や、美味しい食事などありきたりのことが豊かに美しく感じられる場合があるのは、子育てが終わって子供たちが独立して、自分達だけの生活に戻った時にこれからの生き方を再発見することができるからです。
ファッションやおしゃれについても、若い頃や働いていた時期とは違い、自分らしいスタイルを楽しむ時間として大事なことです。
好きな服装やアクセサリーを選び、自分を表現する楽しみは、心の活力を感じさせてくれます。
けっしてお金をかけなくても工夫次第で楽しむことができます。

家のレイアウト変えることも、花のある生活をすることも、人生における生活のリズムが変わって楽しくなります。
機能的であるだけの空間から、心地よさや居心地の良さを追求するスペースへと変えることでも老後を楽しむ生きることになるのです。
老後を豊かに楽しむ
老後においても働き続けるのも経済的に大事なことなのですが、贅沢はできなくても余裕のある暮らしができるなら、自分たちが情熱を傾けられるようなことをするということが第二の人生を楽しく生きることなのです。
老後の人生は、これまでの経験や知識を活かしながら、新しいことにチャレンジする最適な時間になるからです。

定年になって時間に余裕ができたÅさんは、カルチャースクールの料理教室に通うようになったということです。
家における料理といえば女性の仕事と考えていたのですが、自分が料理を始めてみるととても楽しく、みんなに自慢の料理をふるまうことで美味しいと食べてもらうことに生きがいを感じるようになりました。
会社勤めの時には感じえなかった喜びです。
料理教室に通うための月謝代と材料はスーパーの特特売日に合わせて買って来るのでそれほど出費になるということはなく、自分にとってはとても良い楽しみを見つけたと喜んでいます。
さらに、マンションのベランダにはプランターで野菜を育てたりするようになって、ますますセカンドライフを満喫しているということです。
このように自分にとって興味のあることを見つけて、そこから小さな喜びを大切にして、自分の価値観に合った幸せを追求することが老後を楽しむための幸せな生き方考え方になるのです。
あなたも豊かな老後のために、自分が興味のあることを見つけて充実したセカンドライフを楽しんでください。