日本は今、世界でもっとも高齢者の多い国になっています。
この状況は、私たちの老後の過ごし方に大きな変化をもたらすことになります。
年金だけでは生活できない事から、定年後も働き続けなければならない現実があるのです。
介護問題においても、高齢者が増えてくれば介護に関わる金額も増してきます。
世の中のテクノロジーの普及により、高齢者もデジタル機器であるキャッシュレス決済やオンラインでの情報管理に慣れなければならなく、高齢者だからといってデジタル機器を使えなければ世の中に置いて行かれてしまいます。
高齢社会と世の中の変化といった中で、高齢者と家族のつながりも変わってきました。
高齢者においても一人暮らしを求めるようになって、家族主義から個人主義へと変化してきています。
日本は昔から、家族が中心となって高齢者を支えるという形が一般的でしたが、これからの社会では新しい考え方が求められるようになるのです。
目次
社会の変化と新たな価値観
日本社会における家族の形や役割分担は、時代の変化とともに大きく変わりつつあります。
かつては多世代同居が一般的で、家族内で高齢者のケアを担うという体制が自然と形成されていましたが、現代では、都市部を中心に核家族化が進み一人暮らしの高齢者も増加しています。
この背景には、儒教の「孝」に基づく家族への奉仕という考え方が薄れつつあることがあり、また、個々の家族の生活スタイルや価値観の多様化も影響しています。
現代の家族構造の変化に伴い、高齢者が自立した生活を営むことが重要視されるようになってきたのです。
これは、子供たちがそれぞれ独立した生活を送る中で、親自身もできるだけ自分の生活を管理し、自立した存在であり続ける必要があるという新しい考え方です。
だからといって、家族が完全に離れてしまうのではなく、お互いに支え合いながらも個々が自立して生活するといったバランスが求められるようになるのです。
このような家族構造の変化は、高齢者にとっても新たな生き方を模索しなければならなく、より健康で自立した老後を送るための工夫や準備が必要です。
高齢者の自立と価値観
日本の高齢化が急速に進行する中で、かつては多世代同居が主流で、家族が高齢者のケアを担ってきました。
しかし、高齢者も子の世話になるということではなく自立を求めて一人暮らしの高齢者が増えてきているのです。
この変化の背後には、家族の在り方の変容や、アメリカのような個人主義的な価値観の浸透が見られます。
日本社会では、長い間「家族」を中心にした文化が根付いており、特に高齢者は家族に頼りながら生活するのが一般的でした。
しかし、現代では自立した生活を送ることが重要視されるようになり、自分のことは自分で管理し、いつまでも自分らしく生きるといった自由が高齢者の間にも広がってきたのです。
このような変化は、日本社会が直面するにあたって多くの課題が必要になってきます。
つまり、高齢者など弱い立場の人は、国などの社会が担うという考えになってきたのです。
一人暮らしの高齢者が孤立しないような社会的なサポート体制や介護医療体制の構築が急務になってきて、国や社会の体制が求められるようになりました。
そこで、アメリカなどの他国の例を参考にしつつ、日本でも個人主義の価値観を取り入れた高齢者支援が重要となってくるという考えを持たなければならないのです。
このことは、地域社会やテクノロジーの活用、またはボランティア活動などを通じて、高齢者の孤立を防ぎつつ、高齢者が自立した生活を送れる社会づくりが求められるということです。
アメリカの自立した老後の生き方
アメリカにおける自立した老後の生き方は、個人主義的な価値観に根ざしています。
子供が成人して大きくなれば、親は親としての生活を求めます。
この価値観は高齢者の生活のあらゆる面に影響を及ぼし、自己決定と自己責任を重んじる文化を形成しているのです。
アメリカの高齢者は、自分の人生と老後を自分自身で管理しようという強い意志を持って生活しているといえます。
その具体的な表れとして、健康維持への意識の高さ、生涯学習への積極的な姿勢、社会とのつながりを重視する生き方、そしてテクノロジーの利用などが挙げられます。
健康維持は、アメリカの高齢者にとって最優先課題の一つです。
定期的な運動やバランスの取れた食事、予防医療への積極的な参加を通じて自立した生活を長く続けるための基盤を築いています。
また、アメリカの高齢者は自己成長のために、高齢になっても学習の機会を求め続けています。
地域のカレッジが提供する講義やオンライン講座を利用して、新しいスキルを学んだり趣味を深めたりします。
社会とのつながりを保つことも、アメリカの高齢者にとって重要な要素です。
ボランティア活動、地域社会のクラブや団体への参加、そして家族や友人との関係維持をしつつ、社会的な孤立を防ぐようにしています。
このような高齢者の社会参加は、自立した生活の質を高めるだけでなく、自ら孤立しないように努めているのです。
しかし、若い人に比べてフットワークなど能力において遅くなることから、デジタル機器の普及により高齢者におけるハンデを補うことで、家族や友人とのコミュニケーションなどテクノロジーを利用するようにしています。
デジタル機器の利用は、アメリカの高齢者の自立を支える重要な要素で、テクノロジーの発展が高齢者の自立した生活が続けられるように助けているのです。
アメリカの高齢者の社会とのつながり
アメリカにおける高齢者の社会とのつながりは、多面的で活動的な関わり合いを示しています。
高齢者だから何もしないということではなく、高齢者は地域社会やさまざまな組織を通じて、自らの経験、知識、スキルを共有し、次世代に価値ある教訓を伝えています。
ボランティア活動は、高齢者が社会と積極的に交わる主要な方法の一つです。
多くの高齢者は、学校、病院、非営利組織、コミュニティセンターなどでのボランティアとして自分たちの時間とスキルを提供しています。
これらの活動を通じて、高齢者は社会に対して有意義な貢献を行い、同時に自身の人生に充実感と目的をもたらしているのです。
多くの高齢者は地域社会のクラブや団体に積極的に参加していて、趣味や興味を共有するグループ、例えば読書クラブ、ガーデニングクラブ、スポーツチームなどに参加することで、同じ興味を持つ人々とのつながりを深め社交的な活動を楽しんでいます。
これらの集まりは、高齢者が社会的な孤立を防ぎ、精神的な健康を保つための重要な機会を提供しているのです。
高齢者だからと家の中に引きこもるのではなく、積極的に社会参加することで、みんなでお互いを助け合うというコミュニティーが成り立つているのです。
このように、アメリカにおいて高齢者は、ボランティア活動、コミュニティグループへの参加といった社会参加を通して、自分自身で孤立しないように積極的に暮らしているといえます。
高齢者と社会のバランス
アメリカの自立した老後の生き方は、健康維持、生涯学習、社会とのつながり、テクノロジーの利用という四つの柱に支えられているということを理解してください。
これらはすべて個人が自分の人生を主導し、充実した老後を過ごすための自己決定と自己責任のためのもので、アメリカの高齢者たちはこれらの要素を通じて自立した生活を享受し、その過程で自分自身と社会に価値を見出しているのです。
高齢になったら守られるものだということや、高齢者は助けるものという考えではなく、若者だろうが高齢者だろうが平等で同じ扱いを受けながら、お互いが支え合っているということです。
困った人は手を差し伸べるという博愛という精神がキリスト教文化の中に息づいていることから、高齢者や障害者においても困ったら地域社会やボランティア団体との連携を強化して、みんなが助け合って自立した生活が送れるようにしているのです。
つまり、アメリカ社会は共生の精神が息づいているということが言えます。
日本における高齢者の自立と支えについて
日本の高齢社会が直面する課題に対処する方法として、高齢者がより自立した生活を送れるように考えなければなりません。
日本において、日本特有の社会的、文化的背景を踏まえた上で、高齢者が自分らしい充実した老後を生きられるようにしなければならないのです。
これからの日本社会が高齢者にとって住みやすい社会となるためには、高齢者が社会の一員として尊重され、高齢者が活躍できる環境の整備が必要です。
家族制度の変化に伴い、高齢者一人ひとりの生き方を尊重するとともに、社会全体で互いに支え合う社会を目指すことが求められています。
自助、共助、公助
日本においては、高齢者を守る社会福祉が充実することは大事なことで、高齢者一人ひとりが自立して生活するということができる社会にすることです。
それには高齢者自身も誰かに頼るだけではなく、自助といった精神でいつまでも元気で生きていかなければなりません。
そして、困ったときは周囲が手を差し伸べるという、社会的共助の精神が必要となってくるのです。
これからの日本では、高齢者が社会の一員として尊重され、役割を持って活躍できることができる、社会としての公助が求められています。
いくらテクノロジーが進化し、社会福祉が充実しても、最も大切なのは人も社会もみんなが助け合うといった気持ちです。
高齢者がいきいきと暮らせる社会とは、福祉の充実ばかりではなく、すべての人が思いやりのある社会を目指すことが重要なのです。
