昼下がりのいつもの喫茶店、入口のドアが開いてアキコが入ってきた。
今日はお気に入りのカーディガンを羽織っている。
軽くおっちゃんに会釈をして、ゆっくりと近くの席に腰を下ろした。
「タケルさん、旅に出たんですってね」
おっちゃんは、広げたスポーツ紙からゆっくり顔を上げた。
「自分がやりたいことが見つかったみたいやで」
アキコがちょっとだけ寂しそうに微笑む。
「大丈夫や。あいつのことや、またすぐに『おっちゃん!』言うて戻ってくるさ」
おっちゃんはスポーツ紙をたたんで、コーヒーに口をつけた
「それよりも、アキちゃん。ChatGPTっちゅうの知っとるか」
「うーん…なんとなく。AIってやつよね。難しそうで…」
ChatGPTは実はおもろくて便利なやつ
アキコちゃん、実はワシな、そういうのにめっちゃ興味あってな。
「ChatGPTのこと、いろいろ調べたんや。これがな、ほんまおもろいし、シニアにこそ使うべきやと思たんや」
ChatGPTっちゅうのはな、言語で会話できるAIのことで、質問すれば何でも答えてくれる。
文字打つのが苦手な人には、声で話しかけると答えてくれる優れもんや。
もちろん機械やけど、気持ちに寄り添ってくれる感覚は、ほんまにありがたいで。
歳を取ってくると、話し相手が減るやろ、機械かもしれんけど、誰かと話すことができるというのが大事なことなんや。
今日ちょっと元気ないねんって話しかけると、何があったんですかと返してくれる。
疲れただけやと言うと、無理しないでくださいねと優しく気遣ってくれるので、一人暮らしのシニアなど淋しくないのではないやろか。
AIがもっと進化してくると、疲れたと言ったらAIが病院に連絡しましょうかということまで聞いてくれる。
AIエージェントといって、将来は救急車の手配までしてくれるみたいやで。
AIエージェントについては、次の記事に詳しく書かれています。
情報も趣味も学びもぜんぶできる
ChatGPTってのはな、ほんまいろんなことに使えるんや。
ちょっと分からんことがあれば、すぐに答えてくれる。
たとえばやで、夏に咲く花って何やろって聞いたら、朝顔・ひまわり・ペチュニアですねってパッと返してくれる。
まるで、頭のええ学者さんみたいにな。
で、他にもどんなことができるかって言うとやな、
ChatGPTでできることの一例
- 料理のレシピを教えてくれる
- 囲碁や将棋のルールを分かりやすく説明してくれる
- 外国語の勉強に付き合ってくれる(発音やフレーズまで)
- 短編小説や詩も、テーマを伝えれば書いてくれる
- 健康の相談をしたら、食事のヒントや軽い運動のアドバイスをしてくれる
- ガーデニングについて聞けば、季節ごとの花や育て方も教えてくれる
- 「俳句を作りたい」と言えば、季語の使い方から丁寧に教えてくれる
- 「戦国時代に興味ある」と言えば、武将やお城のことも詳しく教えてくれる
これだけできるってなると、もうただの道具やない。
学びのパートナーとしても付き合える、頼れる相棒や。
ChatGPTってすごいやつ
なんでそんなことができるんやって思う人もおるやろな。
実はこのChatGPT、アメリカのOpenAI社っちゅうとこが作った大規模言語モデルいうAIなんやて。
でも、そんな難しいこと知らんでもええ。
ワシらにとっては、言葉でしゃべれて、めっちゃ賢い文句も言わん相棒ということでそれだけで十分や。
ほんま、朝でも夜でも何時でも質問したらちゃんと考えて答えてくれる優れもんや。
ChatGPTとの暮らし
おっちゃんみたいなシニアには、どうしても新しいことは難しいとか、若い人向けって思いがちやけど、ChatGPTはシニアこそ使ってみてほしい道具なんや。
なぜなら、年取って衰えた記憶力や判断力などを補ってくれるからや。
でも、間違ったこと言うこともあると聞くわ
もちろんあるで。
でも、それは人間でも一緒や。
聞く方も大事なんは、鵜呑みにせず自分でも考えるってことや。
ChatGPTは相談相手として質問したことは答えてくれても、その答えが正しいかどうか最終的に決めるのは人間本人なんや。
それがAIとのええ付き合い方やとおっちゃんは思とる。
なぜなら、ChatGPTはあくまでも人間のサポートとして使う道具やからな。
これからの時代のAIとの付き合い方
これから先、ChatGPTのようなAIが、ますます暮らしの中に入り込んでくるやろ。
「便利やなぁ」「助かるわ」と思う一方で、AIに頼りすぎると、人間らしさを失ってまうんちゃうかと心配する声もある。
けどな、おっちゃんこう思うんや。
AIを使うことは、人間が考えるのをサボることやない。
むしろ、考えるきっかけをもらうことであって、われわれにとっては能力を高めてくれるものなんや。
ChatGPTは、知識や情報をくれるだけでなくて、使い方次第で、人生の助けにもなり心のよりどころにもなると思とる。
おっちゃんは、コーヒーを飲み干して、アキコに向かってゆっくり言った。
アキコちゃん、こういう時代やからこそ、ワシらも挑戦してみようや
ChatGPTはただの道具やけど、使いようによっては、暮らしを豊かにしてくれる頼もしい道具になるんや。
時代は毎日変わっていく。
せやからこそ、新しいものをこわがらんと、まずは使ってみようと思えることがほんまに大事なことなんや。
アキコは、小さくうなずいた。
そして、アキコにとって、おっちゃんはなんだか頼もしく見えた瞬間だった。
【登場人物が分からない方はこちら】→ 大阪のおっちゃんと仲間たち