「いつもそこにいるよ」

モフ子のお母さんはいつも忙しそうでした。

朝から晩まで、お料理をして、お掃除をして、洗濯をしてと動き回っています。


「お母さん、今日ね。学校で先生がモフ子の絵を褒めてくれたの」

モフ子が話しかけると、お母さんは必ず手を止めると、モフ子を見て話を聞いてくれます。

「それはすごいわね。お母さんにもその絵を見せてくれる」

お母さんの優しい言葉に、モフ子は「うん」と大きな声で、絵を取りにいきました。


「ほんとだ。とても上手く書けているわね」

お母さんは、やさしく微笑むように絵を見てほめてくれます。

モフ子は、お母さんの笑顔を見て、いつもうれしい気持ちになるのです。


そして夜、眠る前のひととき、 お母さんとモフ子はベットに並んで座ります。

そして、モフ子は今日あったことを一生懸命に身振り手振りを交えて話します。

お母さんは、モフ子の話をうんうんと聞いてくれます。

モフ子にとっては、この時が穏やかで楽しい時間なのです。


モフ子はお母さんに向かって言います。

「私、この時間が一番好き」

お母さんは少し驚いたように目を丸くしますが、「お母さんもよ」と、モフ子を優しく抱き寄せました。


モフ子は、お母さんに抱かれて、安心したように眠ります。

窓の外には星がきらきらと輝いていました。


あとがき

愛情とは、何か特別なことをしてあげることではないのかもしれません。

忙しくても手を止めて話を聞いてあげることや、真剣に向き合うことなどで、それだけで子どもは安心するのです。

いつも自分の方を向いていてくれているという事実が、子どもは大切にされていると心から思うのです。

日常の中にあるそんな穏やかな時間こそが、愛情の本質なのかもしれません。