
どこからともなく、小鳥のさえずりが聞こえてきます。
ふと、目を開けると、そこは見慣れた書斎ではなく森の中でした。

「こんにちは」
振り向くと、丸い目をしたウサギがこちらを見ています。

声の主は、私が絵本にして描いているモフ子でした。
自分が生み出したはずのウサギが、目の前で、確かに息をしています。
私はうれしくなりました。

「ちょうどよかったわ。みんな、広場で待っているの」
モフ子はそう言うと、軽やかに森の小径を歩いて行きます。

私は、戸惑いながらも、その後を付いていくことにしました。

「ここは、動物たちがみんな仲良く暮らす森の中よ」
モフ子はそう叫ぶと、楽しそうに歌い出します。

すると、森のあちこちから動物たちが集まってきて、みんなで一緒に歌い出すのです。

モフ子が住む森は、いつの間にか動物たちの楽しい森へと変わっていったのです。
さらに、私が想像して描いた森の動物たちが集まってきました。

「オッッス……!」「いらっしゃい」「会いたかったわ」
みんな、私のことを歓迎してくれているのです。

そして、私も一緒になって歌い踊りました。
「思い出に記念写真を撮るわよ」
モフ子の掛け声で、私を中心に動物たちが集まります。

「はい。笑って」
みんな、それぞれのポーズを決めると、写真に収まりました。

楽しいひと時でした。
「また、いつでも遊びに来てね」

私は書きかけの「モフ子の森の仲間たち」の絵本のプロットの前で、いつの間にか眠っていたみたいです。
窓の外は、白々と夜が明けはじめていました。

自分が作った小さな動物の森の世界に、少しだけ、迷い込ませてもらったのかもしれません。