シニア世代が安全に暮らすための防犯対策について連載をお届けしていますが、今日は私自身の失敗談をお話しします。
実は先日、恥ずかしながらネット通販の悪質サイトに引っかかってしまいました。
事の発端は、ネットショッピングを楽しんでいた時のことです。
私はコードバンで作られた二つ折り財布を探していたところ、ネットの検索上位にコードバンの財布「9,800円」という商品を見つけました。
写真もすごくかっこよく、コードバンでできた財布が1万円以下で買えるなんてと、すっかりうれしくなってしまったのです。
安いものには裏がある
コードバンとは馬の臀部の革のことで、美しさの輝きと希少価値から、「革のダイヤモンド」とも称されています。
その革で作られた財布は、優れた耐久性と頑丈さがあり、使い込むほどに光り輝くものとして、愛好家においては「エイジング(経年変化)」が楽しめることから、とても人気がある商品です。
コードバン製の二つ折り財布の平均的な価格は、加工に手間がかかるために、おおよそ3万円〜6万円はして、日本の熟練職人が手がける高級ブランドとなると、牛革の財布と比べても価格は高めになります。
それが、1万円以下で買えるなんてと思えば何か裏があると思わなければならないのですが、私は、コードバンの財布が欲しいという思いから、ネットで申し込んでしまったのです。
絶望的な現実
数日後、待ちに待った商品が届き、ワクワクしながら箱を開けました。
しかし、そこに入っていたのは写真とは似ても似つかない全くの別物と言っていいような、粗悪なおもちゃのような財布でした。
表はコードバンの革には間違いないのですが、中の皮は薄っぺらい合成皮革のような素材でできており、触るとビニールのような薄っぺらいものでした。
縁取りはなく、縫製も素人が作ったかのようにいい加減なもので、おまけに鼻をつくような化学薬品のような強い匂いがしました。
ここにきてようやく、「あ、騙された」と気づいたのです。
キャンセル不可と書かれた小さな文字
すぐに返品を申し込もうとサイトを確認し、相手にメールを送りました。
しかし、返ってきた答えは「応じられない」という冷たいものでした。
購入画面をよくよく見返してみると、虫眼鏡で見ないと分からないような小さな文字で「発送後の解約はお断り」と書かれていました。
さらにサイトを隅々まで確認すると、まともな会社なら必ずあるはずの「電話番号」の記載がありません。
書かれていた住所も、地方都市のアパートの一室になっていました。
それに、お金を振り込んだ先の名義人も個人名だったことも、後になって怪しいと考えなければならない要素だったのです。
詐欺かどうかの境目
詐欺だと訴えたところで、商品が一応手元に届いているし、警察が動く刑事事件としての「詐欺罪」を立証するのは難しいケースかもしれません。
被害額が1万円以下というのも、購入者が手間を考えたら仕方ないと諦める心理を突いた悪質な手口だと思います。
私も泣く泣く財布をゴミ箱へ直行させましたが、あのサイトは今でも検索上位に居座り、次のターゲットを狙い続けています。
ネット通販は本当に便利ですが、検索で一番上に出てきたから安心という思い込みは捨てたほうがいいということです。
ネット通販で騙されないための3つのチェックポイント
今回の私の失敗を教訓に、ネット通販を利用する際に必ず確認したほうがいいポイントをまとめてみました。
「安すぎる!」は危険信号
高級素材やブランド品が、相場より極端に安い場合は要注意です。
「お買い得」と考えるのではなく、まずは怪しいかもしれないと疑う習慣をつけましょう。
「会社概要」と「電話番号」を必ずチェック
購入ボタンを押す前に、サイトの「会社概要」のページを確認してください。
連絡先がメールのみで電話番号が載っていない、または住所を地図アプリで調べてみるのも重要な確認方法かもしれません。
サイトの小さな文字も見逃さない
「返品不可」といった購入者に不利な条件など、虫眼鏡で見ないと分からないような小さな文字で隠されていないか、事前にしっかり隅々まで確認しましょう。
もし、少しでも怪しいなと思ったら、ひと呼吸おいて、購入ボタンを押す前に冷静になって考えてみてください。
今の時代、複雑に入り組んだ社会の影には、残念ながら私たちを騙そうとする悪意が潜んでいることも事実です。
そのような手口から自分の身を守るためには、私たち自身がしっかりと知識を学び、賢く対応していくことが大切です。