※ 当サイトは、Googleアドセンス広告を利用して運営しています。

複数の犯人が演じる「劇場型詐欺」の罠について身を守る鉄則

広告

国民生活センターに数多くのトラブルが寄せられている「劇場型詐欺」についてお話しします。

「オレオレ詐欺」という言葉は皆さんもよくご存知だと思いますが、最近は電話でのやり取りの手口がさらに巧妙化し、複数の人間が次々と役柄を変えて登場するという「劇場型詐欺」が増加しています。

今回は、実際にあった事例とともに、彼らがどのように私たちを騙すのか、そしてどうやって身を守ればいいのかを一緒に考えてみることにします。

「劇場型詐欺」の実例

ある日、Aさんの自宅に、大手の建設会社を名乗る男から電話がかかってきました。

「〇〇市で新しい特養老人ホームが建設されるのをご存知ですか」という話から始まり、Aさんは、老人ホームの勧誘だと思ったのですが、話を聞いてみるとそういうことではなかったのです。

大手の建設会社の部長を名乗る男は、その特養老人ホームの建設に関わっていて、自分の親をその施設に入れたいのだが、〇〇市にお住まいの70歳以上の方にしか優先権がないということを説明します。

そして、Aさんに対して、老人ホームに入居されるご予定はありますかと聞いてきました。

Aさんが「入居するつもりはない」と答えると、男はこう持ちかけてきます。

「それなら、あなたの入居する権利を私に譲っていただけませんか。 お礼として5万円をお渡しします」 と言うのです。

そのようなことをすれば、違法行為になるのではと聞くと、「それについては建前だけで、私の会社と市役所で話ができていて、名目だけAさんの名前を借りるだけです」と説明します。

Aさんは「人助けになるなら……」と、つい親切心から承諾してしまいました。

登場人物が次々と入れ替わる巧妙な罠

建設会社の男は、「後ほど市役所の担当者から確認の電話が来ますので、その時はすべて『はい』と答えてください」とAさんに指示しました。

するとしばらくして、市役所の職員を名乗る人物から電話がかかってきます。

Aさんは言われた通りに住所や氏名を伝え、相手の質問にはすべて「はい」と答えました。

それから1週間ほど経った頃、再び建設会社の男から連絡が入ります。

「おかげさまで、親が無事に老人ホームに入居できることになりました。本人がどうしても直接お礼を言いたいと申しておりまして……」 そう言って電話を代わると、電話口の人物は涙ながらにAさんへ感謝の言葉を伝えてきたのです。

Aさんは、自分の行動が人助けになったのだと嬉しい気持ちになり、相手をすっかり信用してしまいました。

すると、男から、約束通り5万円の謝礼を振り込みたいので、口座番号を教えてくださいと持ちかけられてきます。

Aさんは一度は辞退したものの、何度も懇願されたため、つい口座番号を教えてしまったのです。

銀行からの電話

その後しばらくして、銀行員を名乗る人物から、あなたの口座への振り込みにエラーが発生してしまいましたという電話がかかってきます。

「5万円の入金があるのですが、システム復旧のため、あなたのパスワードの確認が必要です」と銀行員から言われ、Aさんはとうとうパスワードを教えてしまったのです。

ここで、考えなければならないのは、どんなシステムトラブルがあっても、電話で暗証番号を要求されることはなく、もし聞いてきても答えてはいけないというのが常識です。

結果として、Aさんの口座からはお金が引き出されてしまい、Aさんはまんまと詐欺の被害に遭ってしまったということです。

この事例から学ぶべき教訓

Aさんが騙されてしまった最大の理由は、犯人たちが「建設会社」「市役所」「感謝する親」「銀行」と、次々に役柄を変えて登場したことで、最初は疑っていたとしても、複数の人物からもっともらしい連絡が続くと、これは本当の話だと完全に信じ込んでしまったのです。

この手口の恐ろしさを踏まえ、私たちは以下のことを必ず気をつけなければなりません。

お金や権利が絡む「電話」は信用しない 

顔が見えない電話口では、相手が本物の市役所職員や銀行員であるかを確認することはできません。

最近は画像通話アプリなどを使って警察官になりすますということがありますが、相手の肩書きだけを信じて見ず知らずの人からの申し出を受けるのは、極めて危険な行為ということになります。

「名義を貸して」「権利を譲って」は100%詐欺 と思って構いません

そもそも、老人ホームの入居権を他人に譲渡することは法律上できませんし、電話口でこのような言葉が出た時点で、間違いなく詐欺だと思ってください。

第三者にパスワード(暗証番号)は絶対に教えない 

相手が銀行員や警察、市役所の職員を名乗ったとしても、暗証番号などは絶対に教えてはいけません。公的機関や金融機関が、電話でキャッシュカードのパスワードを聞いてくることは絶対にないからです。

物語に引き込む「劇場型詐欺」とは

今回のAさんのケースで使われたのは、人の「誰かの役に立ちたい」「人助けをしたい」という純粋な善意につけ込む極めて悪質な手口です。

このように、複数の犯人が結託し、それぞれが「建設会社の社員」「市役所の職員」「感謝する親」「銀行員」など、さまざまな役柄を演じてターゲットを騙す手口を「劇場型詐欺」と呼びます。

この詐欺の最大の恐ろしさは、巧妙な台本を用意し、ターゲットを作られた物語の中に引き込んでしまうことにあります。

最初は「怪しい」「自分には関係ない」と疑っていたとしても、次から次へと違う人物が登場し、もっともらしい話をつなぎ合わせていくことで、いつの間にかこれは本当の出来事だと完全に信じ込んでしまうのです。

まるで演劇の舞台に立たされたように、騙されているのではないかという冷静な判断力を完全に奪われてしまうことが、この詐欺の恐ろしいところにあります。

人はどうして騙されるのか

詐欺の被害に遭われた人の多くは、まさか自分が騙されるなんてと言います。

このように詐欺が社会問題になっているのに、なぜ詐欺はこれほどまでに後を絶たず、誰もが被害者になり得るのでしょうか。

その根本的な理由は、詐欺師たちが人間の心理を巧みに利用し操るプロだからです。

ターゲットの心の中にある「不安」や「焦り」、あるいは今回のAさんのような、人助けをしたいという純粋な善意といったことや、市役所や銀行といった信頼する権威性を利用して、人間の心理ををうまく操っていくことにあるのです。

洗脳や集団催眠など、人間の脳はパニックや興奮状態に陥ると、冷静な判断ができないばかりか、いつもとは違う行動をとってしまいます。

「自分はそのようなことには騙されない」と思っていても、相手が心理操作のプロである以上、冷静に考えれば分かりきったことも、その時は詐欺師の言いなりに動いてしまうのです。

詐欺に騙されないためのマイルール

そこで、そのような心理を操ろうとする詐欺師から身を守る方法として、詐欺に引っかからないマイルールを常に心に決めておく必要があります。

1. 常日頃から詐欺の手口を知る(知識の備え)

「自分は騙されない」と過信せず、今回のような劇場型の手口や、最新の詐欺の手法をニュースや記事で知っておくことが大事で、あらかじめ詐欺の手口を知っていれば、いざという時に「あ、これはあのパターンかもしれない」と気づくための強力なブレーキになります。

2. 相手のペースから降りる(客観視の徹底)

電話口で「名義」「お金」「パスワード」などの不自然な言葉が出たり、感情を揺さぶられたりした時は危険なサインです。

相手の用意した劇場の「登場人物」になることを拒否し、一歩引いた「もう一人の自分」で状況を客観視してください。

ただ、頭でそれらを制御しようとしても、相手は心理を操るプロですので、相手の台本通りに動かず、迷わず電話を切って彼らのペースから強制的に降りることです。

そして、冷静になって考えてみることをして下さい。

3. 必ず自ら「確認作業」を行う(現実への回帰) 

市役所や銀行などを名乗る電話であっても、その場では絶対に信用せず、即答を避けて一旦電話を切ります。

そして、必ず自分で調べた公式の電話番号からかけ直すか、第三者に相談して冷静になって確認することが最大の防御になります。

これらのことをすることで、相手が用意周到な台本を考えてきても、防波堤になるからです。

自分は絶対に騙されない

忘れないで欲しいのは、詐欺師たちの目的は、あなたの大切なお金を奪うことにあるのです。

自分は絶対に騙されないと心のバリアを張ったとしても、詐欺師たちは巧みな話術でその隙間をいとも簡単にすり抜けてきます。

絶対に騙されないという頑なな気持ちではなく、詐欺に騙されないためのマイルールを守ることで、相手の巧妙なペースに乗せられないことが最大の防御になります。

あなたが一生懸命に守ってきたその資産は、あなた自身がこれからの幸せなシニアライフを笑顔で過ごすために使うべきものであって、詐欺という悪意からしっかりと自分を守り抜いていくためには、日頃から、詐欺の手口の知識を心がけておくことが、あなたの資産を守ることになります。

広告