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電話の先の優しい声に潜む悪質な電話詐欺商法の実態と巧妙な手口

詐欺電話と聞くと、皆さんはどのようなものを想像しますか。

オレオレ詐欺のような、「事故を起こしてお金が必要なんだ」と焦らせるものや、「未納料金があります」と脅してくるものなど、思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

確かにそうした手口も怖いですが、私たちが本当に気をつけなければならないのは、脅して騙す詐欺ばかりではなく、高齢者に優しくすり寄ってくる詐欺があるということです。

今回は、被害に遭った人が「まさかあの人が詐欺師だったなんて」と深く傷つく、人の優しさにつけ込む電話詐欺商法の巧妙な手口について考えてみることにします。

突然の電話で聞こえてきたのは「素朴で優しい声」

ある日の午後、家で一人で過ごしていると一本の電話が鳴りました。

出てみると、相手は北海道などの地方なまりがある、いかにも素朴で人の良さそうな青年のような声でした。

「急にお電話してごめんなさいね。実は今、地元の漁師さんが獲ったタラバガニが余ってしまって困っているので、少しでも安くお譲りして、漁師さんを助けてもらいたいのです」

ここから、相手はただ商品を売り込むだけでなく、電話に出た相手と世間話などを交えて話し込んできます。

その口調は優しく人なっこそうに、「最近ずいぶん寒くなったみたいですが、お身体は大丈夫ですか」などと、こちらのことを心配するように話しかけて来るのです。

「一人暮らしだと、毎日の食事の準備も大変ですよね。今の時期、カニなら解凍するだけで、お鍋など簡単に美味しく食べることができますよ」

相手は親身になって話をしながら、すっかり打ち解けた絶妙なタイミングを見計らって、『お話できて本当に楽しかったです。どうか、私達を助けると思ってカニを買ってくれませんか』と、まるで優しさのお返しを求めるように絶妙なタイミングで、カニを買ってほしいと言ってきます。

その手口は親しみと優しさ

電話の相手の優しさや親しみやすさに触れるうち、初めは警戒していたのも少しずつ解けてきて、こんなに一生懸命で素朴な青年が言っているならと、情にほだされて買って応援してあげようかと、心を許してしまい買う約束をしてしまいます。

その後、住所や名前といった個人情報や、クレジットカードの番号や銀行口座まで教えてしまい、最後は、コンビニで2万円のギフトカードを買って、番号を教えてほしいなどと誘導され、そのようにしてしまいます。

しかし、数日経っても、一週間待ってもカニは届きません。

「おかしいな」と思って相手の電話にかけてみると、「現在使われておりません」という無機質なアナウンスが流れるだけです。

ここで初めて、あの優しい声も、私の身体を気遣う言葉も、すべてお金を騙し取るための真っ赤な嘘だったという残酷な現実に直面するのです。

一番の被害はお金だけではない

この詐欺の最も卑劣なところは、お金を奪うだけでなく、被害者の人を信じる心をズタズタに引き裂いたことです。

人の話を親身になって聞いてくれた優しさに裏切られ、困っている人を助けたいという気持ちを悪用され、本来なら人として思いやるやさしい心を逆手に取って見事に利用したのです。

騙された方は、自分はなんと愚かだったんだと自分を責め、人間不信に陥ってしまうことも少なくありません。

詐欺師のせいで、これからの穏やかな生活が暗い影に覆われてしまうことが、この詐欺の本当の被害なのです。

あなたの「優しさ」を守るための、たった一つの方法

では、このような卑劣な罠から身を守るにはどうすれば良いのでしょうか。

もう誰も信じないように、常に人を疑って生きることでしょうか。

いいえ、違います。

あなたの持つ温かい思いやりや優しさは、決して捨ててはならないのです。

その優しさを守り抜くためには、最初から、怪しい相手と関わらない仕組みを作ればいいのです。

その一番の防衛策として、家の電話を常に留守番電話に設定しておくことです。

留守番電話は、世間との関わりを絶つための冷たい壁ではありません。

あなたの優しさを利用しようとする悪意ある人を弾き返し、本当に大切な人からの連絡だけを通すための安全なフィルターになるのです。

人を見たら泥棒と思え

このことは、電話だけでなく、直接家へやってくる訪問業者に対しても同じことが言えます。

昔から「人を見たら泥棒と思え」という言葉がありますが、このことは、本来なら少し寂しく、できれば使いたくない諺です。

見ず知らずの人であっても、まずは信じて話を聞いてあげるという、長年日本人に培われてきた思いやりの心であり、美しい日本の文化でもあるのです。

しかし、現代の悪質な詐欺師たちは、まさに他人を疑うことを知らない純粋な優しさにピンポイントで狙い撃ちをしてきます。

彼らは、いきなり高額な契約を迫るような真似はしません。

まずは庭先で世間話をしたり、家族の話を聞き出したりして、「気のいい青年」や「熱心な営業マン」を見事に演じきります。

そして、この人は優しくて自分の話を信じてくれると見定めた後、親しげな笑顔のまま言葉巧みにあなたの大切な財産をむしり取っていくのです。

人を見抜こうとするのは一番の落とし穴

このような、人間の優しさを利用して騙してくる詐欺師に対して、騙されないためにはどうすればいいのでしょうか。

詐欺師たちは、優しい青年や誠実な営業マンとして近づいて来ることから、相手の態度や言葉遣いで良い人かどうかを見極めるのは、プロの詐欺師を前にして非常に難しいことです。

彼らは、私たちの上をゆく巧妙な詐欺師たちだからです。

だから、私たちが持つべき詐欺師にだまされないための方法は、相手の人柄や態度を見極める前に、まずはその状況を作らないという知識を持つことです。

私がこのブログで様々な詐欺について発信しているのも、世の中にはいろいろな卑劣な詐欺の手口があって、その詐欺のパターンを知っておくことで、そのことが最大の防御策になると思うからです。

「突然やってきて屋根の不具合を指摘する業者」や「電話でお金やカードの話をしてくる相手」は、どんなに優しそうで良い人に思えても、その時点で絶対に相手にしないということを知ることです。

私たちは、すべての人に対して疑う冷たい人間になって自分を守るということではなく、世の中のことをよく知って、詐欺師はこういう手口で騙して来るという知識を持ち、怪しい相手には毅然として関わらないようにするということが、穏やかな老後の人生を守る唯一の方法なのです。

このようなことから、ハピネスシニアブログでは、これからも詐欺の手口を色々と発表していくつもりです。