一人暮らしの高齢者にとって、重い物の片付けや、高い場所にある蛍光灯の交換は本当に苦労します。
転倒の危険もあるため、自力で無理をするのは絶対に禁物です。
実は今回、部屋の蛍光灯が切れかかってチカチカし始めたため、私は街の電器屋さんに交換をお願いすることにしました。
大手チェーン店より少々割高で手数料はかかりますが、電話一本で快く引き受けてくれる心強い存在です。
その際、蛍光灯を替えるだけでなく、思い切って照明器具ごとLEDに替えてもらうことにしました。
LEDなら寿命が約10年と長く、この先しばらくは高いところの蛍光灯が切れて困るという悩みからも完全に解放されるからです。
こうした地域の電器屋さんは、テレビや洗濯機といった重い大型家電の処分でも、正規の運搬料とリサイクル料金さえ支払えば、安全に家から引き取ってくれます。
しかし先日、私の知人がこの安全な方法を知らず、ポストに入っていた「電化製品など無料で引き取ります」というチラシを見て業者を呼んでしまいました。
その結果、なんと高額な処分費を請求されるという恐ろしいトラブルに巻き込まれてしまったのです。
そこで今回は、私たちの身近なポストに潜む「悪徳な無料回収業者」の罠について、考えてみることにします。
無料や高価買取の甘い言葉に騙されてはいけない
ある日、知人の自宅ポストに「不用品無料回収」「リサイクル品として高価買取」と書かれたチラシが入っていたということです。
ちょうど古いテレビと洗濯機の処分に困っていた知人は、「家まで取りに来てくれて、しかも無料ならありがたい」とすっかり安心して、その業者に電話をしてしまいました。
業者はすぐにやってきて、手際よくテレビと洗濯機を運び出して、すべてをトラックに積み終わったところで、「これは無料の対象外ですので、特別な処理費用がかかります」 と言って、3万円もの高額な料金を請求してきたのです。
すでにトラックに積まれてしまった後では、「やっぱりやめます」とも言いにくかったために、結局、知人は泣く泣く3万円を支払うことになってしまったということです。
限られた年金で暮らす中で、3万円という想定外の出費はあまりにも大きな痛手でしたが、安易にチラシの言葉を信じてしまった自分に対して、深く悔やむ結果になりました。
なぜこんな手口が横行するのか
ポストに入っているチラシの業者がすべて悪徳だとは限りませんが、中には言葉巧みに法外な金額をだまし取る業者が紛れ込んでいるのも事実です。
なぜ、このような業者が横行するかというと、 大きな理由の一つは、テレビ、洗濯機、冷蔵庫、エアコンなどが「家電リサイクル法」の対象であり、自治体の通常の粗大ゴミとしては出せないことにあります。
それに加えて、私たち高齢者にとって、重い粗大ゴミを決められた場所まで自力で運び出すのは大変な作業だからです。
悪徳業者は、そんな私たちの体力的な不安に巧みにつけ込んで、 「正規の手続きは面倒ですよ」「重くてご自分では運べないでしょう」と親切を装って近づき、最終的に高いお金を要求してくるのです。
さらに恐ろしいのは、「見積もり無料」とチラシに書いてあっても、見積もりを聞いた時点で断ろうとしても、ここまでの交通費や手間賃を払えと強引に請求してくる悪質なケースもあります。
トラブルを未然に防ぐためには、ポストに入っている不用品回収のチラシは安易に信用しないということが一番の防衛策になります。
悪徳業者を避けるための4つの防衛策
1. ポストのチラシや巡回トラックは「完全に無視」する
一番の自衛策は、そもそも見ず知らずの業者を相手にしないことです。
「無料」や「高価買取」をうたい、空き地を拠点にしていたり、軽トラックでスピーカーを鳴らしながら巡回している業者は、トラブルの温床です。
ポストに入っているチラシには絶対に電話をかけないルールを自分の中で決めておきましょう。
2. 業者の「許可証」の種類を確認する
家庭の粗大ゴミや不用品を回収できるのは、市区町村から「一般廃棄物収集運搬業」の許可を得た業者だけです。
チラシに「古物商許可」や「産業廃棄物処理業」としか書かれていない業者は、家庭のゴミを回収する権限がありません。
怪しいと思ったら、この許可番号があるかを確認してください。
3. 作業前に「書面」で確定の見積もりをもらう
どうしても業者を頼んでしまった場合は、作業前に追加料金も一切かからないことを明記した書面での見積もりを出してもらうようにして下さい。
見積もりに来て、そのまま手ぶらで帰るわけにはいかないと言われても、取り合わないようにしましょう。
4. 迷ったら「自治体」か「消費者ホットライン(188)」へ
処分の方法がわからない時は、お住まいの市役所や区役所のゴミ相談窓口に電話をするのが一番安全です。
もし、業者とトラブルになりそうになったら、一人で悩まずに局番なしの「188(いやや)」に電話してください。
お近くの消費生活センターにつながり、専門家が助けてくれます。
悪徳業者に引っかからないために
ポストに入っている無料回収のチラシには、絶対に電話をかけないことがいいのですが、自分ではできない困った時にどうすればいいかという場合があります。
そのような時は、迷わずお住まいの自治体(市役所や区役所)に相談してください。
実は、全国の多くの自治体には、私たちシニアの暮らしをサポートしてくれる心強い制度が整っています。
具体的な相談先としては、以下のような窓口があります。
- 市役所のゴミ相談窓口: 電話で「一人では外に運び出せなくて…」と事情を話せば、家の中からの運び出しに対応してくれる「正規の許可業者」を紹介してくれます。
- 地域のシルバー人材センター: 地域のセンターに相談すれば、格安な料金で家具の移動やゴミ出しのお手伝いをしてくれます。
- 地域のボランティア組織: シニアサポートの一環として、ちょっとした力仕事を手伝ってくれる団体もあります。
困った時は一人で無理をしたり、怪しい業者に頼ったりする前に、まずはこうした安全な公的な窓口に相談してみることを強くお勧めします。
大切な年金と安心な暮らしを守るために、賢く制度を利用することと、悪徳業者には騙されないという知識を身につけることが重要です。