75歳という年齢を迎えると、どうしても体力の低下や環境の変化を肌で感じるようになります。
「もう歳だから仕方がない」とあきらめるのは簡単ですが、人生100年時代、少しでも元気で若々しく過ごしたいものです。
そこで、考えられるのは、毎日の食事を見直し、健康寿命を延ばすことが鍵になります。
今回は、難しいことは抜きにして、シニア世代が無理なく取り入れられる「体に優しい食事の知恵」について考えてみることにします。
目次
無理なく続ける健康的な食の基本
年齢を重ねると代謝が落ち、必要な栄養素も変化します。
若い頃と同じようにお腹いっぱい食べるのではなく、「何を食べるか」という質がとても重要になってきます。
特に意識したいのは、筋肉や体の元になる「タンパク質」や、体の調子を整える「ビタミンとミネラル」です。
そしてもう一つ、私が最近注目しているのが、食材の持つ自然な力を活かす「薬膳」という考え方です。
薬膳とは
「薬膳」と聞くと、独特なスパイスや漢方薬を使った料理をイメージされると思いますが、薬膳とは季節や体調に合わせた食材を選ぶということです。
薬膳は、食材が持つ自然の力を活かして、体のバランスを整える食事法のことです。
私たちの体は自然の一部として、 たとえば、寒い冬には「体を温める食材」、暑い夏には「体の熱を冷ます食材」を摂るということです。
ただそれだけで、崩れがちな体のバランスを整えることができるということで、医食同源という考え方なのです。
医食同源とは
医食同源を一言で言うと、日頃の食事が、病気を治す薬と同じくらい大切だという考え方です。
病気を治す薬も日々の食事も、本来は根源が同じであるという意味です。
特別な薬に頼る前に、まずは毎日の食事を整えることこそが、一番の良薬となり、病気を寄せ付けない体を作ってくれるのです。
それには、旬の野菜や食材が持つパワーを食することで、体に負担をかけない食事を心がけることこそ、シニアにとってのぴったりな健康法になります。
シニアに薬膳がおすすめな理由
薬膳がシニアに合う理由は、とても明確です。
年齢を重ねると、病院に行くほどではないけれど、「疲れが取れない」「体が冷える」「なんとなく元気が出ない」といった不調を感じることが増えてきます。
薬膳は、こうした病気になる前の「小さな不調」を、毎日の食事で整えるという考え方です。
薬ではなく「食事」で体を整えることは、副作用の心配も少なく、美味しく食べながら無理なく健康管理が続けられます。
ただ、自分が抱えている慢性病に対しては、自然食品だから、全てが安全であるという考え方は成り立たないので注意しましょう。
自分の今の体調や季節に合わせて、食材の持つ自然な力を借りて元気になることこそ、シニアが元気に生きるための理にかなった方法なのです。
スーパーで買える身近な薬膳食材
薬膳の食材は、特別な専門店に行かなくても、いつものスーパーで見かけるもので手に入れることができます。
夏のような暑い日には体を冷やす食材として、トマトやきゅうりがありますが、これは夏野菜としてその時期の旬として取れる野菜です。
その他には、青魚が持つ栄養素など、老化防止にはいろいろな食材があります。
つまり、薬膳というと難しいものと考えてしまいがちですが、食べ物が持つ本来の栄養や、その時期の野菜を食べることにより、旬の食べ物のパワーをもらうとことが何よりも健康にいいということです。
薬膳は特別なものではなく、今日の食事が明日の元気につながることから、それらのことを意識して食事に取り入れるようにしてください。
発酵食品も昔からの健康食品
そしてもう一つ、健康長寿の鍵を握るのが「発酵食品」です。
納豆、味噌、醤油、漬物、甘酒、そしてヨーグルトやチーズ。
これらはすべて、微生物(麹菌、乳酸菌、酵母など)の働きによって生まれた食品です。
これらの発酵食品も体に良いと昔から言われています。
なぜ、発酵食品がシニアに良いのか
シニアになると、消化力や免疫力が落ちやすくなります。
発酵食品には、腸内環境を整える働きがあります。
発酵食品に含まれる善玉菌は、腸内環境を整え、免疫力を底上げしてくれます。
腸が整うことで、消化が助けられる、便通が良くなる、免疫力が保たれるといった良い影響が期待できるのです。
風邪やインフルエンザ、そして様々な病気に負けない体を作るには、腸を元気にすることが一番の近道です。
さらに、発酵食品には、抗酸化物質が豊富に含まれていることから、これは細胞の老化やサビつきを防ぐという、アンチエージングということにも効果があります。
発酵食品は、古くからの知恵
発酵食品は、保存の工夫から生まれた人類の知恵です。
偶然から始まり、長い年月をかけて各地の食文化として育ってきました。
今では、健康を支える食事として見直されています。
長い歴史の中で淘汰されずに残ってきた発酵食品は、人類にとって、その安全性と健康効果が証明されているのです。
「食」は生きることそのもの
私たちの体は、毎日の食事で作られています。
旬の野菜を選んだり、いつもの食事に納豆や漬物を一品足してみるといった、そんな小さな習慣の積み重ねが、これからの体を支えてくれます。
薬膳も発酵食品を食べるにしても、食事は健康を意識して食べるということです。
高価なサプリメントや、特別な健康法を探し回る前に、毎日の食事で健康になってください。
健康への答えは、いつものスーパーの野菜売り場や毎日の食卓にあります。
食材一つひとつに感謝して、その力を借りてゆっくりと味わって食べる。
それこそが、何よりの「薬」であり、最高に贅沢な健康法なのです。