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「モフ子の思いやりとやさしさ」

モフ子は、強さとやさしさをあわせ持つ森のウサギです。
傷ついた仲間を助け、寂しい心に寄り添い、困っている人には手を差し伸べる。
森でみんなと共に生きることの大切さを伝えるお話です。

モフ子は、どんなときでもやさしい気持ちを大切にする森のウサギです。


雨が降っていても、夏の暑い日でも、どんな時であっても、いつも元気に森を走り回っています。


ある日、森を歩いていると、けがをしたリスを見つけました。

モフ子はやさしく手をのばし、バックから包帯を取り出すと、「だいじょうぶ、痛くない?」と声をかけました。

リスは安心して、しっぽをふるわせました。


また、ある時は、クマがしょんぼりとしていました。

「クマさん、どうしたの」

モフ子が声をかけると、クマは、「みんな、ぼくのこと怖がって、一緒に遊んでくれないんだ」

大きなクマは、ひとり寂しく悲しそうに言いました。

モフ子はそっととなりに座り、「私はあなたの友達よ」と、ささやきました。


このように、モフ子は誰にでもやさしい、こころ使いができるウサギです。


その後、森の動物たちに声をかけると、クマを仲間はずれにしないように、みんなで遊ぶことをしました。

自分だけが楽しければいいんじゃなく、みんなが仲良く笑っている森がいちばん幸せなんだと、モフ子はいつも願っているからです。


ある日、森に大雨が降りました。

森に流れる川が氾濫しそうになったのです。

そこで、モフ子は川の水をせき止めるように大きな石を積み上げます。


クマがやってきて、大きな木をたおして、川の氾濫を防ぎます。

リスや小鳥も、いっしょに枝をはこんで助けます。

「みんなで力を合わせれば、どんなことも乗り越えられるよ」

モフ子は笑顔で仲間をはげましました。

その後、モフ子たちの努力があったからかどうか分かりませんが、川は氾濫することはまぬがれたのです。


森のはずれの道で、疲れたように旅人が、切り株で休んでいました。

モフ子は声を掛けます。

「どうしたのですか」

旅人は、「おなかがすいて歩くことができないのです」と言います。

モフ子はすぐさま、森の中の果物を集めると旅人に差し出したのです。

「困ったときはお互い様だから」モフ子のその言葉に、旅人は何度も頭を下げて感謝しました。


ある日、カラスと鳥がエサをめぐって、言い争いをしています。

「僕が先に見つけたんだ」、鳥が言います。

カラスは、「これは俺様のもんだ」と、一歩も引きません。

そこで、モフ子は実を二つに割ると、「分け合えば、みんな幸せになれるよ」と、言い争いはやめるように言ったのです。


けんかしていた鳥たちは、はずかしくなり、「ごめんね」と頭をさげました。

モフ子はただにっこり笑い、「またみんなでいっしょにあそぼうね」と声をかけたのです。

鳥たちは、心から反省して仲直りをしました。


森に雪が降り積もり、動物たちは静かに家の中に閉じこもっています。

雨は森をうるおし、風は森に新しい空気を運んでくれます。

夏の日ざしは森を育て、雪は静かに森を休ませてくれているのです。

季節の移ろいは、それぞれ役割があり、すべてが森を守っているということになります。


モフ子は空を見あげて思います。

どんな季節も、どんな出来事も、森といのちを支える大切な出来事なんだということを・・・。


森は今日も笑顔でいっぱいです。

小さな動物たちがよりそい、木の葉がささやき、風がほほをなでていきます。

雨も、風も、雪も、みんな森の仲間です。

やさしい心で思いやりを持って暮らすとき、森も生きものも、みんなあたたかい光につつまれるのです。


あとがき

モフ子のやさしさは、ただ優しいだけではなく、困難に立ち向かう強さでもあります。
誰かを助け、仲間と力を合わせ、困っている人に手を差し伸べること。
それは、私たち一人ひとりが持てる小さな勇気であり、森や社会を明るくする力です。

「自分だけが幸せ」ではなく「みんなが笑顔でいられること」
その思いが、どんな雨や風にも負けない生き方を育てるのです。