
ChatGPTを使ってみたけれど、思ったよりも普通の答えしか返ってこないと感じたことはありませんか。
実は、ChatGPTの性能が足りないのではなく、質問のしかたにポイントがあるのです。
ChatGPTは、人間のように意味や感情を理解しているわけではなく、これまでに学習した膨大な文章をもとに言葉のつながりを予測して答えています。
だからこそ、質問の言い方ひとつで、返ってくる答えの深さや具体性が大きく変わるのです。
この記事では、ChatGPTの基本的な仕組みと、よりよい答えを引き出すための質問のコツについて、わかりやすく説明します。
ChatGPTの仕組み
ChatGPTは、インターネット上の論文や記事など、膨大な文章をもとに学習しています。
これによって、質問をすると的確な答えを返してくれるのです。
これは、言葉と言葉のつながり方やよくある表現のパターンを覚えていて、「おはようございます」と言った後は「今日はいい天気ですね」と続くというように学習されているからです。
つまり、入力された言葉をもとに、次の言葉を予測するということで答えているだけで、言葉における意味を理解して答えたりしているということではありません。
たとえば、「電車」という単語に対して、その単語の次にはどのような言葉が来るかを想定して、「時刻」という単語が並んだ場合、電車の時刻表を答えようとします。
さらに、次に「新幹線」という言葉が並ぶと、新幹線の時刻を知りたいということを瞬時に判断します。
ChatGPTは、「単語」や「言葉のかたまり」を単位にして予測して、答えを見つけていくのです。
質問の意図や文脈を理解しているわけではなく、確率が高い文字を次々とつなげていって、何を答えればいいかを導き出すことになります。
AIがまるで考えているように思えるのは
ChatGPTは、膨大な文章を学習しているために、こういうときはこう答えればいいという言葉のパターンをたくさん知っています。
人間の感情のような言葉も、過去に人間がよく使ってきた言い回しをうまく再現しているにしかすぎません。
つまり、人間らしい言葉遣いをしていても、人間のように心があって分かっているということではないのです。
自分の考えを持って話しているわけではなく、質問に応じてぴったりの言葉を瞬時に探して返してくれるだけです。
ChatGPTは、世界中の本や新聞を理解して文脈から超高速で文章を見つけ出しているのです。
だから、独自性というよりも、一般的なパターン化した文章でしか答えられないと思われがちですが、厖大なデーターをもとに答えることができるために、人間の能力では追いつかないほど優秀な存在として認められようになったのです。
質問の仕方が答えの質を決める
ChatGPTの真価は、「問い」の中にあります。
同じテーマでも、質問のしかたを変えるだけで、 返ってくる答えの質が大きく変わるからです。
たとえば、「シニアにおすすめの趣味はという」問いでは、「園芸」「読書」「ウォーキング」など、よくある答えが並びます。
しかし、「70代で外出が不安な一人暮らしの男性の趣味にはどんなものがありますか」と質問すると、もっと深く、思いがけない答えをくれる可能性があります。
それは、パズルゲームの様ないろいろな言葉を組み合わせて答えを生成しているのです。
したがって、問いが具体的で個別の状況を含んでいるほど、 ChatGPTはその人に合った情報を組み合わせて答えをみつけてくれます。
つまり、ChatGPTを独創的な答えをしてもらうには、 質問の仕方で変わってくるということになります。
このことについては、以前の記事「ChatGPTを使いこなすコツはプロンプトにあり」で、質問の組み立て方について詳しくご紹介しています。
ぜひそちらも参考にしてください。
独創的な答えを引き出すコツ
ChatGPTから独創的な答えを引き出すには、 次のような質問のコツがあります。
ありきたりで常識的な質問を、あえてずらしてみる。
「節約術を教えて」ではなく、「節約しながらも豊かに見える工夫を教えて」というように、一般的な答えにはならないように質問の仕方を変えるのです。
自分の状況をくわしく伝える。
「趣味について教えて」ではなく、「70代で家の中でできるような体をあまり動かさないような趣味を教えて」と、具体的に状況を絞り込むと、それに合わせて趣味を見つけてくれます。
感情や目的を含めて聞く
「どんな運動がいい」ではなく、「最近気持ちが沈みがちで、少し気分が上がる運動ってある」というように、ChatGPTは感情は理解できなくても、人間の状況を理解することで 感情を想定した質問における答えを見つけてくれます。
ChatGPTは問いかけで答えが変わる
ChatGPTは、ただ情報を教えてくれるだけの存在ではありません。
あなたが本当に知りたいことを、言葉として整理して返してくれる力があるのです。
とはいえ、ChatGPTが人の気持ちを理解しているわけではありません。
ChatGPTは、たくさんの言葉のパターンを学び、そのつながりを計算して答えているAIだからです。
だからこそ、どんな答えが返ってくるかは、質問のしかたによって大きく変わります。
たとえば、「おすすめの運動は」と聞けば、一般的な答えになりますが、「ひざに負担をかけず、家の中でできる運動は」と聞けば、あなたが求めているような答えが返ってくるのです。
ChatGPTをうまく使うには、自分の状況や気持ちをできるだけ具体的に伝えることがコツです。
そのようにすることで、よりあなたに寄り添った答えを返してくれるようになります。
自分がどんな答えを求めているのかを意識して質問を言葉にすることが、AIの力を引き出す大切なことになるのです。