最近、ご自宅の固定電話に「このままでは、今の電話が使えなくなります」といった電話がかかってきて、不安な思いをされることはありませんか。
ニュースでも「古い携帯電話が使えなくなる」といった話題が出ているため、家の電話も切り替えないと使えなくなるのではと思ってしまいます。
結論から申し上げると、 ご自宅の電話は、これからも今まで通り使えますし工事は全く必要ありません。
今日は、この不安を煽るような電話の正体と、複雑な世の中で私たちがどのように身を守るかということについてお話しします。
しつこい電話の本当の狙い
最近、家の固定電話や携帯電話に、見知らぬ番号から何度もかかってくる電話があります。
出ようとするとすぐに切れてしまうという、いわゆるワン切りも多く、この番号を調べてみると、実は大手の光回線への切り替えを勧誘する営業電話だとわかります。
もし気になってこちらから折り返し電話をかけてしまうと、相手は待ってましたとばかりに、固定電話を新しい光回線に変えないと、今後電話が使えなくなりますと、嘘の営業を仕掛けてきます。
彼らが「電話が使えなくなる」と嘘をついてまで私たちを焦らせるのは、高額なインターネット回線を契約させることにあるのです。
電話口では大手通信会社の名前を名乗ることが多いのですが、彼らの多くは、契約を1件取るごとに大手から多額の手数料を稼いでいる代理店がほとんどです。
「今の電話代が安くなりますよ」と親切そうな言葉で近づいてきますが、決して信じてはいけません。
実際には、不要なインターネット契約を結ばされ、結果的に毎月の支払いが以前より大きく跳ね上がってしまうケースも少なくないのです。
相手の話を聞くことが一番の危険
安くなるのなら、とりあえず話だけ聞いて、怪しかったら断ればいいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこれが一番危険な落とし穴です。
電話の向こうにいる相手は、言葉巧みに嘘の理屈を組み立てる「騙しのプロ」です。
こちらが理屈で言い返そうとしたり、どういう仕組みなのかと理解しようと話を聞いてしまうと、彼らはさらに複雑でもっともらしい言葉を並べ立ててきます。
そして、あっという間に彼らのペースへと引きずり込んでしまうと、どんなに頭の回転が速く賢い人であっても、毎日人を騙す練習をしているプロが用意した複雑な理屈には勝てるわけがありません。
だからこそ、相手の言うことを理解しようと頑張るのではなく、なんだか怪しいなと感じたら、その場ですぐに電話を切り、それ以上は一切関わらないことがいいのです。
さらに、見知らぬ相手の電話に出ることは、大きな危険性もはらんでいます。
アポ電の可能性も
見知らぬ人との電話に出ることで恐ろしいことは、これらの電話が不要な回線契約だけを目的とした営業電話にとどまらないケースがあるからです。
相手の言葉を信じてうっかり話し込んでしまうと、彼らは親切なふりをして、世間話の延長で個人情報などをさりげなく聞いてきます。
このことがアポ電の始まりです。
アポ電とは、話をすることで犯罪グループが強盗や詐欺などの犯行に及ぶ前に、ターゲットの下調べをするためにかけてくる電話のことです。
今後の手続きの参考にさせてくださいと、一人で住まいかどうかという家族構成や、暮らしぶりを聞いて資産などをさりげなく聞き出すという手口なのです。
うちはお金がないから大丈夫と思っていても、一人暮らしで日中は家にいないなど、生活状況を相手に知られること自体が、悪質な犯罪グループの標的にされる原因になってしまいます。
相手がどれほど丁寧で優しい口調であっても、家族構成や日々の生活リズムなど、個人的なことには絶対に答えないようにしてください。
あなたの個人情報が、詐欺グループのリストになる可能性があるからです。
話を聞いてあげるあなたの優しさが、結果的にご自身の安全を脅かすことになりかねないのです。
最大の防御は怪しい話には乗らないこと
世の中の仕組みが複雑になるにつれ、あの手この手で私たちを狙う業者が次々と現れます。
しつこい電話を逃れるために、たとえ固定電話を解約して携帯電話に変えたとしても、今度は携帯に怪しいメッセージが届くなど、彼らの手口が尽きることはありません。
だからこそ、私たちが身につけるべき最大の防御策は、まず相手の手口を知ることと、自分自身を守る知恵として、向こうからやってくる怪しい話は一切相手にしないということです。
もし「光回線に切り替えて安くなるなら」と考えるのであれば、自分から大手の通信会社の窓口へ行き、しっかりと聞いて調べることをお勧めします。
私たちが詐欺や悪質な勧誘から身を守るには、その手口を知り、知識を持つことこそが最大の防御になるからです。
だからこそ、電話口での営業や、ポストに入っているチラシなどから安易に契約するのは、もっとも危険な行為であるといえます。
電話口で「電話が使えなくなる」「安くなる」という言葉が出たら、それはあなたを罠にはめる合図です。
相手がどれだけ丁寧な口調で話しかけてきても、気の毒に思う必要は全くありません。
怪しい話には乗らない、決して相手にしないという、この知恵をしっかりと胸に刻み、即座に電話を切ることが、あなた自身の大切な暮らしと安全を守ることになるのです。