多くの人が老後の生活の主な収入源を「年金」としていますが、現実には年金だけで以前と同じ生活水準を維持するのは難しいのが実情です。
「老後2000万円問題」などが取りざたされるものの、実際に定年までにそれだけの資産を築けている人はほんの一握りではないでしょうか。
若い時から準備をしておけばよかったのにと後悔しても時間は戻りません。
しかし、定年退職した後であっても、老後の財務計画を見直すことに遅すぎるということはないのです。
今回は、老後貧乏にならないための現実的な対策と、お金をかけずに心を豊かにする「シンプルライフ」の実践方法について考えてみます。
目次
老後貧乏にならないための「5つの基本」
年金以外の収入源を確保したり、貯蓄を切り崩したりすることは重要ですが、それ以上に大切なのは「生活のサイズ」を適正化することです。
年金がもらえる予定金額で、いかに生活できるかを考えて計画するということは、早いうちにしておくことをおすすめします。
老後貧乏を避け、安心して暮らすための生活基盤には、以下の5つの基本があります。
- シンプルな生活をする(無駄を省き、足るを知る)
- 収入源を増やす(資産運用や、無理のない範囲で働く)
- 固定費を見直す(生活コストの徹底的な削減)
- 健康を維持する(医療費・介護費を防ぐ最大の節約)
- リスクを避けた投資と貯金(退職金の賢い管理)
年金が入ればなんとかなるだろうという楽観的な予測ではなく、定年退職の前後にしっかりと財政計画を立て、年金の範囲内で暮らせる仕組みを作ることが、老後を生き抜く鍵となります。
最大の固定費「住居費」を見直す
現役時代と同じ感覚で住居費を支払っていると、老後の家計はすぐに破綻してしまいます。
持ち家の場合 は、住宅ローンは定年退職までに完済しておくのがベストです。
もし残っている場合は、働き続けて返済を優先する必要があります。
また、ローンが終わっていても、リフォーム代や固定資産税などの「維持費」がかかることを忘れてはいけません。
賃貸の場合は、 家賃の安い物件への引っ越しを検討しましょう。
UR賃貸住宅や公営住宅など、年金収入でも無理なく払える家賃の住居を探すことが重要です。
老後のことを考えて、シェアハウスやシニア向けの共同住宅など、住居費を抑えつつ孤独を防ぎ、コミュニティを形成できる住まい方も検討する価値はあります。
住居費を見直すことで月々の固定費を大幅に削減できれば、それがそのまま生活の余裕へとつながるからです。
「節約生活」と「シンプルライフ」の違いとは
老後を少ない資金で乗り切るためには「節約」が必要ですが、ただお金を使わないだけの生活は心がすさんでしまいます。
そこで取り入れたいのが老後のシンプルライフという考え方です。
この2つは似ていますが、目的と心の持ちようが異なります。
| 項目 | 節約生活 | シンプルライフ |
| 目的 | お金を貯める、支出を抑える | 心の豊かさ、生活の質の向上 |
| 優先順位 | コスト(安さ)を最優先 | 価値や満足感を最優先 |
| アプローチ | 安いものや割引を活用 | 選択肢を減らし、本質を追求 |
| 感覚 | 制限的・我慢・節制 | 開放的・満足感重視 |
シンプルライフとは、単に物を減らすだけでなく、自分にとって本当に大切なものを見極め、それに集中した生活をすることです。
不要なものにお金を使わなくなるため、結果として節約になりますが、目的はあくまで心地よい暮らしを実践するためのものです。
考え方としては、物質的な豊かさよりも心の豊かさを追求することが、老後の幸福度を高めることができます。
60代から「持たない暮らし」を始めるメリット
定年退職は、会社員時代の価値観や見栄を手放し、第二の人生をスタートさせなければなりません。
しかし、その時になってからでは遅すぎます。
前々からシンプルライフを実践することには、計り知れないメリットがあります。
1. 経済的な不安が減る
身の丈に応じた生活を維持、管理することが大切で、新しい物を次々と欲しがることもなくなるため、限られた年金収入の中でもやり繰りでき、お金を賢く使えているという自信と安心感が生まれます。
2. 心の余裕が生まれる
物を減らし、身の回りを整然とさせることで、精神的な負担が減り、穏やかな時間を過ごせるようになります。物を持たない暮らしを心がけることで、老後の生活における心の余裕が生まれます。
3. 本当の価値観が見つかる
定年後の年金生活に入る前に、この1年で何に使ったか、これを持っていて自分は幸せかなどといったことを考えて、シミュレーションで想定することが大事です。 自分自身の人生の棚卸しでもあり、世間体よりも、老後をどのように生きるかを考えることは、老後の自己肯定感を高めてくれることになります。
お金をかけずに楽しむ豊かな日常
シンプルライフにおいて、楽しみを我慢する必要はありません。
シンプル生活は我慢生活ではないので、お金をかけなくても、日常を豊かにする方法はたくさんあります。
お金をかけなくても、自然や公共施設の活用や公園の散歩で季節を感じたり、図書館で読書に没頭したりすることができます。
博物館の無料開放日を利用するなど、知的な刺激は無料で手に入りますし、そのことによって心にゆとりが生まれます。
高い料理や豪華な旅行などが、人生の楽しみばかりではありません。
お金をかけずに作る楽しみ
人間の創造力は、楽しみを見つけてくれます。
ブログを書いたり、趣味をこうじたりといった何かを行うことで楽しみを見つけることができます。
男性なら、簡単な料理に挑戦することや、DIYで小物を作ることなど消費ではなく、創造に時間を使うと生き甲斐として達成感が得られるのです。
60代からのおしゃれライフ
シンプルライフだからといっておしゃれを諦める必要はありません。
トレンドを追うのではなく、自分に似合った服を厳選し、スカーフや小物でアレンジを楽しむことで、自分らしさを確立することで、心が華やかな気持ちになれば、心も楽しくなります。
これこそ、お金をかけなくても究極の楽しみを得ることはできるのです。
今日から始める未来への準備
老後の豊かさは、預金残高の多さだけで決まるものではありません。
だからといって、何も考えずになるようになるといった考えではいけません。
足るを知るシンプルな考えと、計画的な生活設計があれば、老後貧乏の不安は乗り越えることができるのです。
退職金や年金を頼りすぎず、まずは固定費を見直し、身の回りの物を整理することから始めて、身の丈に合った生活をすることから始めてください。
資金計画をしっかり立て、健康を維持し、本当に必要なものだけを大切にするシンプルライフを実践することこそ、老後を経済的にも精神的にも充実した第二の人生として送ることになるのです。
今日から少しずつ行動を始めて、安心でゆとりのある老後を目指してください。
老後のシンプル生活について書いた記事があるので、それを参考にしてください。
他に、「節約を楽しみながらシンプルライフをすることで心が軽くなる話」や、「余白のある老後を楽しむためのスローライフという生き方」といった記事がありますので合わせてお読みください。
